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窯焚き編・焚き上げ

歴史・文化

読谷山焼・北窯の登り窯とやちむん作り【窯焚き編・焚き上げ】

更新日:

前回までのおさらい

数か月にわたって沖縄県読谷村のやちむん(焼きもの/陶器)の里、読谷山焼・北窯にお邪魔し、土作りや登り窯の修繕作業などの取材記録をもとに、沖縄の生活になくてはならない日常の器に隠された物語をお伝えしている「読谷山焼・北窯の登り窯とやちむん作り」。

やちむんを手にしておられる方にも、これから出会う方にも、やちむんについて、そこに込められた思いや価値について、もっと知っていただけたら。そんな気持ちで書き進めています。

先日の記事では、登り窯への火入れまでの様子をご覧いただきました。

詳しくはこちら

火入れから13時間ほど経過した11月28日のお昼頃再度お伺いしたところ、窯口はこのような状態に。

読谷山焼・北窯

窯口の外で燃やされていた薪は内部へと送り込まれ、1番目、2番目の袋の薪の投入口や色見穴(イロミ/イルミと呼ばれる壺を取り出すための穴。後ほど詳しくご説明します)からは時折炎がのぞき、ほかの袋にも真っ黒いすすがついて、黒煙も噴き出しています。

2回目となる今回は、窯口および各袋の焚き上げの様子をご覧いただきたいと思います。

窯口

前回もお伝えした通り、窯口を焚くのは約19時間半。私が伺ったのは13時間ほどが経過し、残り約6時間となった頃でした。

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

すすや薪の破片、灰が激しい炎の跡を残す窯口。内部では炭化した薪の間に目がくらむような赤、オレンジ、黄色の炎が渦巻いています。近づくと熱さを通り越して痛みを感じるほどの熱でした。温度計などはなく、陶工たちは刻一刻と変化する炎を見つめています。くべる薪の大きさを変え、内部の薪を動かし、空気を送る。緊張の連続であろう作業を繰り返しながら、窯全体をゆっくりと温めていきます。

ちなみに、窯口の上に並んでいる楕円形のものは、窯焚き中になくてはならない道具。

読谷山焼・北窯

後ほど彼らの健気な役割もわかります。がちまやー(食いしん坊)の私は一瞬食べ物かと思ってしまいました・・・。

余談はさておき、当番が終わる際には、土埃と灰が目立つ窯口周辺を掃き清め、次の当番の工房へ引き継ぐ姿もありました。窯への尊敬、工房間の心遣いが表れている一幕でした。

読谷山焼・北窯

各袋の焚き上げ

翌々日、11月30日の早朝4時に伺った際の写真がこちら。

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

焚き終えられた窯口にはレンガが積まれ、窯焚きは各袋へと移っています。私が到着したのは9番目の袋が焚き終わる少し前のタイミングでした。8番目までの袋は焚き終えられ、すすで黒く変色している部分が目立ちました。薪の投入口などには蓋がされています。火入れの日には天井までぎっしりと積まれていた薪はほとんどなくなっていました。

最初に目を奪われたのはこの光景。

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

窯の中から、炎そのもののような塊が取り出されています。

色見(イロミ/イルミ)と呼ばれるこの小さな壺は、袋の中の火の回り具合、温度の上がり具合などを見るために使われるテストピースです。これを取り出すための穴が色見穴(イロミ/イルミあな)。各袋、屋根に近い部分に開いている小さな丸い穴です。普段は袋の中を照らすための電球が入れられることも。

読谷山焼・北窯

窯から取り出された色見は外気に触れて徐々にその素地の色、釉薬の色を表します。

左手前の壺の色の変化に注目してください。

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

最初の写真から最後の写真まで、たった2分のできごと。

この壺の様子から窯の温度や火の入り具合、くべる薪の本数、焚き終わりのタイミングなどを判断します。袋や日時を記録している工房もありました。

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

薪の投入口から見た窯の内部の様子はこちら。

読谷山焼・北窯

近づいたのは一瞬ですが、1270度にも達する炎の熱気は命の危険を感じるものでした。

さて、先ほど私が食べ物と勘違いしたものは、薪の投入口や色見穴の蓋。

読谷山焼・北窯

炎に炙られ、真っ黒に焦げて、割れてしまうことも・・・。

読谷山焼・北窯

この蓋を開け、薪をくべていきます。窯をはさんで左右にひとりずつ、お互いの姿は見えないため、声をかけあいながらの作業です。凄まじい熱と光を前にしながら火勢を見定め、必要な場所に必要な分の薪を送る陶工の姿。時折、激しく噴き出す恐ろしくも美しい炎。息をのんで見入ってしまいました。

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

焚き終わり

登り窯の最後尾、13番目の袋の中から出てきた色見の中には、表面がぶつぶつになっているものがありました。

読谷山焼・北窯

この凹凸は「ぶく」。火が強すぎる場合に見られるもののようです。

登り窯での窯焚きは下の袋の焚き方はもちろん、天気や風、空気の乾燥具合などの影響も大いに受けます。今回は早めに進んでいたようで、13番目の袋は約1時間で焚き終えられていました。

読谷山焼・北窯

最後の袋を焚き終えると、メーガニク(前兼久)という土を使い、窯口もしっかりと密閉。

 読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

窯焚きという大仕事を終えた登り窯にはあちこちにすすがつき、大小のひびも見られます。蓄えた熱をゆっくりと冷ますために費やすのは、焚き上げにかかった時間と同じ4日間。

次回はいよいよ焼き上がりです。まだ熱の残る作品を窯から取り出す窯出しの様子をお伝えします。

まとめ

読谷山焼・北窯

読谷山焼・北窯

窯焚き2日目、最終日4日目の様子をお送りしました。

噴き上がる炎のオレンジ色や小さな火の玉のような色見。見上げた夜明け前の空のすがすがしさ。薪の爆ぜる音や虫の鳴き声。

五感を研ぎ澄ませ、窯と炎に一途に向き合う陶工の姿。

写真を整理していると、シャッターを切ったその時々の感覚がまざまざと思い出されます。

ココがポイント

丸4日間続く窯焚きのうち、私が足を運び、実際に目にしたのは2日にも満たない時間で、ほんの一部にすぎません。私が気づかなかった、見られなかった工程や、携わる方々の思いがまだまだたくさんあると思います。そういったことにも想像を広げながら読んでいただけたら幸いです。

次回は窯出し編。ぜひご覧ください。

やちむんの里の詳しい情報はこちら

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きゅう

言葉、文化、自然、習慣、その他諸々にカルチャーショックと感動を経験しつつ沖縄に住むことかれこれ20年超。すっかりなじんでいますが、一応九州産の移住者です。長く日常を過ごしているからこそ見える沖縄の素敵なもの、おもしろいものをご紹介していけたらと思っています。大好物はおいしいもの、歴史を感じるもの、旅行、取材。必要に迫られ、大の苦手だった英会話を勉強中です。

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