2020年東京オリンピックの正式種目にも採用され、注目を集めている空手。その発祥の地である沖縄で開催された、第1回沖縄空手国際大会の様子を6回に分けてお送りしてきました。

第1回の奉納演武・開会式・交流演武会から競技大会予選・決勝、セミナーの様子までお伝えしてまいりました。第6回、最終回となる今回は、主に海外からの参加者のインタビューをご紹介しつつ、記念すべき大会を振り返りたいと思います。

第1回 8月1日 奉納演武・開会式・交流演武会

第2回 8月2日・3日 海外・県外予選

第3回 8月4日 本大会 ベスト32→ベスト4

第4回 8月5日本大会 準決勝・3位決定戦・決勝

第5回 8月6日・7日 沖縄空手セミナー

第6回 まとめとインタビュー ←

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おさらい・沖縄空手国際大会って?

沖縄県立武道館と沖縄空手会館を会場に、世界50の国と地域から延べ3500人が参加した、過去最大規模の沖縄県主催空手世界大会。2018年8月1日、大会の安全と成功を祈願する奉納演武で幕を開け、2日から5日には「首里・泊手系」「那覇手系」「上地流系」「古武道(棒)」「古武道(サイ)」の5部門を、少年、成年Ⅰ・成年Ⅱ・シニアの男女各4種目により競う競技大会が行われました。また、沖縄県を代表する達人たちによる沖縄空手セミナーも6日、7日の2日間に渡って開催され、世界中の空手愛好家たちが沖縄伝統空手への理解と互いの交流を深めました。

英語通訳として参加されていたISLA Lequio Language NAHA/KOZA代表の日吉淳己さんのお力添えで、この大会に海外から参加された4組の皆さんに少しだけお話を伺うことができました。沖縄や沖縄伝統空手へのあふれる思い、ご覧ください。

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参加者インタビュー①国際空手道常心門会小林流連盟の皆さん

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アメリカ・カナダ・南アフリカより22名の選手団で参加。本部はマイアミにあり、加盟国は12か国に上る大きな空手道連盟です。

今大会の印象はいかがでしたか?

─素晴らしかったです。インターネット上での申込段階から大会運営まで全てがスムーズで、とても満足しています。第2回大会が行われるならば、必ず参加します!

競技大会の結果は?

Norberto Oritiz(首里・泊手系成年Ⅱ男子)が予選で42.20点のハイスコア(※予選全選手中最高スコアだったそうです。予選中の得点は40~41点台がほとんど。42点に迫ると大歓声が沸いていました)を出してベスト8に残りました。決勝には進めませんでしたが、世界各国、沖縄の空手家と交流でき、彼らの技術やモチベーションの高さを感じるとても良い時間を過ごせました。

8歳と、11歳の子どもたちもセミナー受講のために参加していました。全員空手を始めて4年というなかなかのキャリアの持ち主たち。これからが楽しみです!

参加者インタビュー②Arnab Ghoshさん(アラブ首長国連邦/ドバイ)

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アラブ首長国連邦のドバイから20名で参加したコーチ、Arnabさん(小林流聖武館)。空手歴は何と30年!終始気さくな笑顔で質問に答えてくださいました。

なぜ沖縄空手を始められたのですか?

─最初は組手にしか興味がなかったのですが、先生が少しずつ私を変えていきました。スポーツのカラテと沖縄の空手は違います。いつも必ず新しい発見があり、自分を成長させてくれるものです。

沖縄へ来られたのは何回目ですか?また、沖縄の印象は?

1997年の沖縄古武道トーナメントに出場してから5回目になります。もう21年前ですね。たくさんの変化がありましたが、沖縄には、その頃から変わらないものがひとつあります。人の心です。礼儀正しく、他者を敬う気持ちを持って接するところは、私が最初に訪れた時から少しも変わっていません。

お渡しした名刺の「We Love沖縄」の社名を見て、私も沖縄を愛していますよ!と言ってくださったArnabさん。師である島袋善保さんの「チントウ」が憧れで、いつかあんな演武がしたいと思っているそうです。心優しいArnabさんの演武、私も見てみたくなりました。そして、いつまでも素敵な沖縄でありたいなあと思いました。

参加者インタビュー③Daphne Leister・ダフネ レスターさん(イギリス)

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「古武道(棒)」シニア女子で銅メダルを獲得したDaphneさん。パートナーのAndreさんとともにロンドン郊外に教室を開き、生徒たちに空手と古武道を教え、研鑽やセミナー参加のために1年に2~3回は沖縄を訪れているそうです。

銅メダル、おめでとうございます。この結果に満足していますか?

準決勝の相手(山城民子さん、金賞)はチャンピオンにふさわしい実力の持ち主だったので、負けても悔いはありません。銅メダルを取れてとても満足しています。

沖縄空手、古武道に出会ったきっかけは?

ナースとして働いていた時、護身術のクラスがあったのですが、それを教えていたのが空手の先生でした。「センスがあるから教室に習いに来ないか」と誘われ、通い始めたのが35年前です。

古武道には様々な武具がありますが、なぜ棒を選んだのですか?

先生からいちばん難しいと言われたので、チャレンジしています。

6日、7日は古武道範士9段の赤嶺浩さんのセミナーで指導にも当たったDaphneさん。普段はやわらかく女性らしい雰囲気が、コート上ではきりっと引き締まります。「先生には先生が必要です」と語る、まっすぐな向上心の持ち主。こんな風に年を重ねていけたら、というお手本を見せていただいた思いです。

参加者インタビュー④Christa Lehmann・クリスタ レマンさん(スイス)

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「古武道(サイ)」成年Ⅰ女子で見事銀メダルに輝いたChristaさん。遠くスイスから、たった2人で参加されました。準決勝、決勝での演武は美しく、とても素晴らしかったです。

銀メダル、おめでとうございます。あと少しでしたね!

ちょっとだけ、本当にちょっとだけ悔しい思いはありますが、満足です!試合が始まるまで座っている時間が長かったので、体が硬くなってしまっていたかなと思います。第2回大会があれば、ぜひまた参加したいです!

古武道を始めて何年になりますか?また、そのきっかけは?

古武道は10年です。忍者が好きで(笑)、古武道に興味を持ちました。

キレのある演武を披露されていましたが、練習はどれくらいなさっているのですか?

スイスの又吉古武道光道館で週4~5日練習しています。

日々練習を続けるモチベーションはどこから来るのでしょうか?

古武道にはたくさんの武具があって、学ぶことも多く、退屈する暇がありません。また、練習を続けることで自分に自信が持てるようになります。毎回のように新しい気づきもあって奥が深いですね。

とてもかわいらしい笑顔が印象的なChristaさん。空手や古武道があまり知られておらず、習う人もとても少ないスイスという国で、こつこつと練習に励む努力家でした。コートでは別人のような表情で気迫あふれる演武を披露。次回大会ではぜひ表彰台の真ん中に立ってほしいと思います。

まとめ

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沖縄県外で生まれた私にとって、空手は身近な存在ではなく、連想するものといえば映画「ベスト・キッド(The Karate Kid)」だけ。知識はほぼゼロでした。

初めて、しかも7日間に渡って目の当たりにした沖縄空手。以前にも書きましたが、これまで空手に出合わなかった不幸と、最高の舞台で空手を知ることができた幸せが一度にやってきた、というのが正直な気持ちでした。

型の演武は緩急のきいた美しい舞踊を見ているよう。心の奥底にあるものがざわつくような、不思議な感覚になることも多々ありました。

「空手に先手なし」「人に打たれず、人を打たず、事なきを基とするなり」という先人たちの言葉そのままの沖縄伝統空手と、それに関わる方々の素敵なお人柄。空手が大好きになり、世界中で愛される理由がわかった気がした7日間でした。

第2回大会の開催が本当に楽しみです。

第1回沖縄空手国際大会公式ホームページ

前回の記事はこちら▶︎ 2018年第1回沖縄空手国際大会・第5回8月6日・7日沖縄空手セミナー