梅雨時に旬を迎え、曇りがちな日々を明るく彩ってくれるあじさい。そんなあじさいの花言葉、あなたは何を思い浮かべますか?「移り気」「浮気」といったネガティブなものが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。実は、青のアジサイには「辛抱強い愛情」、ピンクには「元気な女性」、白には「寛容」、ガクアジサイには「謙虚」と、ポジティブなものもたくさんある花なんですよ。
また、小さな花が集まって咲く様子から「一家団欒」「家族の結びつき」とも。
沖縄には、そんな温かな花言葉そのままに、家族の力を合わせて経営されている広大なあじさい園があるのです。
今回の記事では、毎年約1か月半だけオープンする花の楽園、「よへなあじさい園」をご紹介したいと思います。
よへなあじさい園とは?
饒平名(よへな)ウトさんが60歳の頃から少しずつ植え始めたあじさいがどんどん株を増やし、評判を呼んで来訪者が増えたことから2001年に開園されました。あじさいの開花に合わせ、オープンは例年5月中旬。あじさいの見頃が終わってしまう6月末には閉園となります。
2006年の「紫陽花博士・杉本誉晃さんが選定する東日本VS西日本紫陽花の名所ベストランキング30」では西日本の6位に堂々のランクイン。県内外はもちろん、海外からの人気も高く、様々な国籍の方でにぎわっています。元はみかん畑(その前はパイナップル畑)だったという園内は、勾配が急な上に約3000坪と広大。ご家族総出で丹精込めて育て続けたあじさいは、2019年現在1万株30万輪にも達しているそうです。
明るく愛されるキャラクターで親しまれた名物園長・ウトさんは2018年4月11日に100歳で他界されましたが、その後もご家族がウトさんの意志と経営を引き継いでおられます。
何ができるの?
30万輪のあじさいを堪能
濃いブルーが印象的なヒメアジサイをメインに、ブルーダイヤや石化八重、プリマ、アナベル、ウズアジサイ、ガクアジサイなど、30種以上のあじさいが斜面いっぱいに咲き誇る園内。梅雨空にも映える青いじゅうたんを大パノラマで堪能しつつ、畑の中に整備された小道を順路表示に従って進みましょう。
順路は1から9まであります。順路4は急な階段を上っていかなければなりませんが、ベンチや東屋も設置され、景色のすばらしさはひとしお。
足元に気をつけて、ゆっくり進んでみてください。順路9は園の入口に近いところにあります。比較的広い遊歩道に、白や淡いブルーなどのあじさい、大ぶりのガクアジサイなどが並んでいて見ごたえがありますよ。
園の入口には、急な天候の変化に備えた雨傘や、急勾配の斜面を歩くときに必要な杖も用意されています。素敵な心遣いですね。
ココがポイント
あじさいの色は土壌が酸性かアルカリ性かによって変化します。酸性の土壌であれば青味に傾き、アルカリ性の土壌であれば赤味が出るのです。酸性の土壌にはあじさいの持つアントシアニンと結びついて青い色素を作り出すアルミニウムイオンが溶けやすいため、火山の影響で酸性の土壌が多い日本では青いあじさいが良く咲くのですね。
あじさい以外の南国の花々も楽しめる
あじさいとともに、たくさんの花々も楽しめる園内。
こちらはほんの一部ですが、とてもきれいで印象的なものばかりですよね。園内のあちこちで見事な花が見られますので、ぜひ目を向けてみてください。
「あじさいの家」で一休み
園内の散策途中の休憩にぴったりなのが、カフェ「あじさいの家」。絵画を見ているような美しい景色を一望しつつ、スイーツタイムはいかがでしょうか。おすすめは、汗で失われたミネラルも補給してくれる手作りの沖縄ぜんざい。そのほか各種かき氷、アセロラやたんかん、マンゴー、パッションフルーツ、シークヮーサー、グァバ、パイナップルといったやんばるフルーツのジュースも揃っています。
沖縄らしさいっぱいのスイーツやドリンクが、沖縄の湿気と太陽の熱をクールダウンしてくれますよ。
持っていくべきものや気をつけたいことは?
あじさいの見頃=沖縄の梅雨の期間。湿度がいつもに増して高い場合が多く、空模様は崩れがちです。荒天になることもあり、気温の変化も大きいので、天気予報にはこまめにチェックしてお出かけください。
曇りや雨でも紫外線対策は万全に、日焼け止め、長袖や帽子、サングラスなども忘れずに。
ココがポイント
虫も多いので、気になる方は虫よけスプレーも必要になるでしょう。週末はたくさんの来園者で混み合い、傘はさしづらい場合が多々あります。雨の場合はレインコートを準備していくと便利ですよ。
雨や曇りの場合は肌寒く感じる場合もありますが、あじさい畑の中を歩くと湿気も気温も高く感じられ、10分もすれば汗でびっしょり、ということも。着替えやタオル、汗拭きシートなどもお持ちください。また、通路は狭く滑りやすい上、勾配がかなり急な所もあります。サンダルやヒールでは危険なので、足元は必ずスニーカーや雨靴で。
また、こちらの巨大カタツムリ、アフリカマイマイには要注意!
ココに注意
アフリカ原産の大型陸生貝類で、死に至ることもある髄膜脳症を引き起こす大変危険な広東住血線虫という寄生虫の中間宿主となっています。本体はもちろん、這った跡からも感染する場合があるため、絶対に素手で触らないようにしてください。万一触ってしまった場合には、すぐによく手を洗ってくださいね。
先ほどの写真はあじさい園の入口近くで撮影したもの。梅雨の時期、特に雨上がりには活動が活発になり、舗装された道路上にも多数出没するので注意が必要です。
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詳細情報
住所
沖縄県本部町字伊豆味1312
開園期間・営業時間
開園期間:毎年5月中旬~6月下旬
※毎年あじさいの見頃のみの開園。公式サイトで開園期間、開花情報などを発信
営業時間
9:00~18:30(柔軟対応)
定休日
期間中無休
問合せ先
TEL:0980-47-2183
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入場料
大人400円、小中高校生200円、未就学児無料
アクセス
車
那覇空港から約1時間40分
道々に看板がありますので、それをたどってくださいね。
カーナビ設定
マップコード
206 833 140*3
那覇空港から公共交通機関で向かう場合
111番バスに乗車、名護バスターミナル下車。70番バスに乗り第二伊豆味下車。徒歩約8分
駐車場
あり(乗用車40台・バス専用5台)
第二駐車場もあります。
週末などは混雑が見込まれるので、こちらに停めておくのもいいでしょう。スムーズな通行を妨げ、事故を誘発してしまう路上駐車は絶対にしないようにしてください。乗り合わせや、開園期間に合わせて各旅行社が行うバスツアーなどを利用するのもおすすめ。以下は参考までに、バスツアーの情報が残っているリンクです。
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地図
ストリートビュー
まとめ
あじさい園の一画には、東日本大震災で決壊し、水が枯れた福島県藤沼湖の湖底から芽吹いた「奇跡のあじさい」があります。6株のうちの1株がかわいらしい花をつけていました。
様々な困難の中におられる被災者の心に思いをはせる機会になれば、という思いで里親となり、育てておられるそうです。震災の爪痕は大きく、復興はまだ道半ば。様々な困難が今なお残る被災地の方々へ、何ができるだろうかと改めて考えさせられました。
ウトさんが作り、お子さんやお孫さんたちの手で引き継がれた一面のあじさい畑。来園者は年々増加し、近年では、ウエディングフォトを撮影に訪れるカップルも増えてきているそうです。雨の日にも、晴れの日にも、曇り空でも、それぞれに美しい光景を見せてくれるあじさいたち。梅雨時の沖縄の大きな楽しみのひとつ、あなたもぜひ足を運んでみてください。
よへなあじさい園・2017年
梅雨の沖縄を楽しめるスポット・花の楽園「よへなあじさい園(本部町・もとぶちょう)
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よへなあじさい園(本部町・もとぶちょう)
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30万輪のあじさいが咲き誇る、沖縄の凄すぎるあじさい園に行ってみた!
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30万輪のあじさいが咲き誇る、沖縄の凄すぎるあじさい園に行ってみた!
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