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静けさと心地よさに包まれる、備瀬のフクギ並木(本部町・もとぶちょう)

執筆者 : きゅう

今、住民たちの手で守られ、伝えられてきた大木の並木が作り出す沖縄の原風景が静かな人気を集めています。

沖縄美ら海水族館のある海洋博公園からほど近い本部町備瀬区。まっすぐに伸びる黒い幹とつややかな緑の葉が沖縄の強い陽射しや風を遮り、鳥のさえずりや虫の声だけが響く空間を作り出しています。どの季節、どんな天気の日に訪れても楽しめる、不思議な静けさに包まれる備瀬のフクギ並木をご紹介したいと思います。

備瀬のフクギ並木とは?

フクギ並木

フクギ

フクギはフクギ属の熱帯性常緑高木。

「福木」とも書き、幸福を招く木ともされています。丈夫でまっすぐな幹は高さ10~20mにまでなり、楕円形の肉厚の葉が密生するため、沖縄では風や炎を防ぐ木として古くから集落や屋敷の周辺に植えられてきました。

本部町備瀬区にある約2万本のフクギ並木は、琉球王国時代に防風林として整備された250年以上の歴史を持つ貴重なもの。第二次世界大戦の戦火を免れたことはもちろん、住民のみなさんが大切に受け継ぎ、育て続けたからこそ見られる風景です。

何ができるの?

フクギ並木をのんびり散策

フクギ

小道

フクギの樹影に覆われた小道(スージ)は、真夏の晴れた日でもひんやりとしています。

数百年の歴史を感じつつ、鳥や虫の声に耳を傾けながらの散策は心も身体も癒してくれるよう。密生した葉の隙間を縫って落ちてくる木漏れ日が白砂の道をスポットライトのように照らす光景も、何ともいえず風情があります。

徒歩でのんびり、がいちばんのおすすめですが、レンタサイクル(1時間300円~)や水牛車(4名まで2000円、1名追加500円)で巡ることもできますよ。

フクギ並木

フクギ並木

水牛車

案内マップに沿って名所を巡る

備瀬集落案内マップ写真はタップすると大きくなります!

フクギ並木入口付近の広場に設置された「備瀬集落案内マップ」に沿って、名所をご紹介します。入口から順路に沿って備瀬崎へ向かい、海岸沿いを回って帰って来た場合、F→G→D→B→A→C→E→H→Iの順になりました。南からアルファベット順にご紹介します。

I . フクギアーチ越しの伊江島の眺望

伊江島がのぞく風景

看板に向かって左斜め後ろ、フクギのトンネルのアーチに縁取られた、エメラルドグリーンの海に浮かぶ伊江島を望むスポット。まるで絵を見ているような風景です。日没前後に訪れて美しいサンセットを楽しむのもおすすめ。


実際に歩くとこんな感じです。(肉眼ではもう少し早くタッチューが見えています)

H . コバテイシの老木

コバテイシの老木

コバテイシの老木

広場の看板から左斜め前、樹齢350年と伝えられる、コバテイシ(モモタマナ)の堂々とした老木。長さ20cm以上にもなる卵型の大きな葉をつけ、枝が水平に伸びるのが特徴で、沖縄では「クワディーサー」とも呼ばれます。

G . 夫婦フクギ写真

夫婦福木

夫婦福木

順路沿いに看板が2つ立ててあり、とてもわかりやすいです。二本のフクギの巨木が寄り添い、根本はぴったりとくっついています。仲睦まじいご夫婦やカップルを連想させ、幸せを呼ぶと人気のスポット。

F . 備瀬区の貴重な文化財「具志堅門中の家(屋号:ハネクンヤー)」

具志堅門中の家

旧住宅

ひときわ密に植えられたフクギに守られるように建つ旧住宅。集落内で二番目に古い門中(もんちゅう/ムンチュウ=父方の血族でつながった集団)で、10代続いているそうです。壁の一部は100年前に備瀬のイノーの砂岩で作られたもの。

ココに注意

Gの夫婦フクギ近く、少しわかりにくいので通り過ぎてしまわないようご注意を!

E . 海・伊江島ミーウガンへの眺望

伊江島

伊江島

澄み渡る海とはるかに浮かぶ伊江島を、遮るものなく楽しめる海岸沿いのスポット。係留されている小さなボートが波に揺られていたり、穏やかなビーチの風景が視界いっぱいに広がります。道路沿いには看板を見つけることができませんでしたが、辺り一帯が絶景です。

D . 区画割の基準石

区画割の基準石

ガジュマル

メージク(前軸)・ナカジク(中軸)・ニージク(子軸)の3つの軸石を基準に区画割が行われたということです。ガジュマルの大木がその石を守るように根と枝を伸ばし、神秘的な雰囲気が漂っています。

C . ボウズサンゴの珍しい石垣

ボウズサンゴの石垣

ボウズサンゴの石垣

漆喰として利用されていたというボウズサンゴを使った珍しい石垣。表面に丸い突起がある石がボウズサンゴのようです。沖縄では琉球石灰岩の石垣を色々な場所で目にしますが、こんな形状の石(サンゴ?)を使ったものは初めて見ました。とても珍しいと思います。

B . ミーウガン(離れ小島)への眺望

備瀬崎

沖縄本島の北端・辺戸岬から昇る朝日と伊江島に沈む夕日を望む絶景スポット。備瀬崎の駐車場に入って左手にあります。拝所(ウガンジュ=聖域を前に祈りを捧げる場所)でもあるようなので、マナーにも注意を。

 A . ミーウガン

ミーウガン

備瀬崎の離れ小島で、聖域とされています。写真右上の木に覆われた島です。

備瀬崎

魚

備瀬崎

シュノーケルなどにも人気の備瀬崎の海は、その透明度の高さでも有名。引き潮の際には色とりどりの熱帯魚が泳ぐ姿を波打ち際からも楽しめるほどです。

目の前にある、たくさんの木に覆われた島がミーウガン。全体がごつごつとした岩場で、スニーカーでも足の裏に岩の感触が伝わってくるほどでした。ビーチサンダルではけがをしてしまうと思うので、しっかりしたマリンシューズなどがおすすめです。

駐車場近くに比嘉商店という小さな建物があり、温水シャワー(大人250円)やシュノーケルセットのレンタルもあるようでしたよ。

シャワー室

持っていくべきものや気をつけたいことは?

マナーについて

フクギ並木

何よりもまずお伝えしたいのは、備瀬のフクギ並木は観光地であると同時に備瀬区のみなさんの生活の場であること。飲食店や民宿、雑貨店なども並ぶため勘違いしてしまいそうですが、並木道沿いには個人のお住まいもたくさんあります。

ココに注意

ひとつの集落の中にお邪魔させていただいている気持ちを忘れず、勝手に敷地内に入ったり、大きな声で騒いだりしないよう気をつけて楽しんでくださいね。

服装や持ちものなど

フクギ並木

フクギ並木

並木道周辺すべてがフクギの樹影で覆われているわけではありません。大きな通りなどは日の当たる場所も多いので、紫外線対策は油断せず、長袖や帽子、日傘、サングラスなどは忘れずに。時折虫も多く飛んでいるので、気になる方は虫よけスプレーも必要になるでしょう。徒歩、レンタサイクル、水牛車などで回ることになりますし、美しい天然ビーチや備瀬崎も徒歩圏内。ぜひ歩きやすい靴で出かけてください。

ココがポイント

ビーチサンダル、水着や着替え、大きめのタオルなども持っておくといいかもしれませんね。また、備瀬崎周辺は凹凸のある岩場でビーチサンダルでは危険。大けがにつながってしまいますので、必ず底が厚めのマリンシューズを着用するようにしてください。

備瀬崎

詳細情報

住所

沖縄県本部町字備瀬

問合せ先

本部町備瀬区

TEL:0980-48-2371

公式サイト

本部町観光協会

入場料

無料

アクセス

那覇空港から約2時間

カーナビ設定

マップコード

553 105 685*35

那覇空港から公共交通機関で向かう場合

リゾートライナーに乗り、備瀬フクギ並木入り口下車。徒歩すぐ。

沖縄エアポートシャトル時刻表

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駐車場

あり(有料・無料)

※案内マップのある広場の一部に無料の駐車スペースがあります。

看板

そのほか、公民館近くのお宮の敷地内(1時間200円、1時間以上500円)

お宮

看板

水牛車乗り場隣のレンタサイクル店の駐車場(1日500円、1時間300円のレンタサイクル無料。看板からは駐車料金が無料になるような印象を受けましたが、逆でした。複数名で行った場合はまた違うルールがあるかもしれません)

レンタサイクル

備瀬崎(1日500円)

有料駐車場

その他入口付近に1日500円~600円の有料駐車場があります。

地図

沖縄県本部町字備瀬

ストリートビュー

まとめ

フクギ並木

フクギ並木

シーサー

沖縄美ら海水族館をはじめ、桜の名所・八重岳、沖縄そば店が集中する本部そば街道など見どころいっぱいの本部町にある、心身ともに癒しを感じられるスポット・備瀬のフクギ並木。

ゆっくりゆっくり、歩くことや感じることを楽しみ、リフレッシュできる時間を過ごせると思います。常緑高木で常に美しい葉を保ち、並木が風も陽射しも防いでくれるので、年間を通しいつ訪れてもOK。晴れた日には晴れた日の、雨の日には雨の日の風情があります。多少天候が悪くても、ぜひ足を運んでみてください。

備瀬崎までぐるりと楽しみたい方は、レンタサイクルなら1時間強で回れます。

道

ゆっくり沖縄らしい時間を堪能したい方は、徒歩や水牛車で。

水牛車

途中には、様々立ち並ぶカフェや食堂で休憩するのもいいでしょう。

カフェ

レストラン岬

ソーキそば

この空間があるのは、おもてなしの心を忘れない備瀬区のみなさんのおかげ。日々の手入れや清掃などに加え、順路表示や地図などの設置も行っておられるそうです。訪れる方への温かい心遣いがあちこちに感じられる、本当に素敵な空間。「来たときよりも美しく」を心がけつつ、私もまたお邪魔したいと思います。

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きゅう

言葉、文化、自然、習慣、その他諸々にカルチャーショックと感動を経験しつつ沖縄に住むことかれこれ20年超。 すっかりなじんでいますが、一応九州産の移住者です。長く日常を過ごしているからこそ見える沖縄の素敵なもの、おもしろいものをご紹介していけたらと思っています。 大好物はおいしいもの、歴史を感じるもの、旅行、取材。必要に迫られ、大の苦手だった英会話を勉強中です。

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