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ダイビング

神秘的な夏の大人気ダイビングスポット【宮古島】クロスホール

執筆者 : ろこ

宮古島で夏にダイビングをするなら、はずせないのが伊良部島周辺に数多くある地形ダイビングポイント。今回はその中でも夏の宮古島ダイビングの特集などでは必ずと言っていいほどランクインをしているクロスホールをご紹介いたします。

この記事を読んでいただくことで、クロスホールで潜る際のおすすめ時期、注意点、見どころ、持ち物に至るまで全てを知ることができます。

ココがポイント

クロスホールでのダイビングを楽しむなら、アドバンスド・オープン・ウォーターダイバー以上か、ディープスペシャリティダイバー、もしくはそれと同等の資格を所持しているのが望ましいです。また、中性浮力や潜降、浮上スピードをきちんとコントロールできるレベルまでダイビングに慣れてから潜ることをおすすめします。

その理由も、この記事を最後まで読んでいただければ把握することができます。

クロスホール内の神秘的な美しさは、行った人だけが味わえる特別感を与えてくれました。宮古島旅行で夏のダイビングポイントをお探しの方、地形ダイビングやワイドダイビングがお好きな方は必見です。

また、まとめではおすすめの時期やショップ選びのポイントなどもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

伊良部島 クロスホールの基本情報

クロスホールは宮古諸島のひとつ、伊良部島の北側に位置するポイントです。

クロスホール 地図

星印で示した場所がクロスホール(地理院地図 / GSI Maps|国土地理院をもとに合同会社We-Love沖縄作成)

南寄り風が吹く日は島影に入るので海面がおだやかになり、ダイビングしやすくなります。そのためクロスホールでのダイビングを目的にするのであれば、5月から10月の南風が続きやすい時期をおすすめします。

宮古島から出港するボートで約25分、伊良部島から出港すると約15分で到着します。

詳しい位置を確認したい方はこちら: 地理院地図 / GSI Maps|国土地理院

クロスホールってどんなポイント?

船を係留する場所の下は、約5mから15mほどです。

クロスホールの入り口は水深20mを超えるため深度変化が大きく、潜降及び浮上スピードをきちんと調整できるようになっていた方が安心です。

そのため、各ダイビング指導団体のアドバンスド・オープン・ウォーターダイバーライセンス以上、CMASの場合は2スターダイバー以上、ディープスペシャリティダイバー、もしくはそれと同等以上のライセンスを所持していることが望ましいです。

さらにクロスホール内は天井まで2m前後の場所や、下にシルトと呼ばれる砕屑物(さいせつぶつ)が沈殿(ちんでん)している場所があります。中性浮力がきちんと取れていないと、気付かぬうちにシルトを巻き上げて自分の周りが真っ白になってしまい、せっかくのダイビングが楽しめない、ということも。

[st-kaiwa-29229]中性浮力がある程度コントロールできるようになってから潜ることで、より美しい景観を楽しむことができます。[/st-kaiwa-29229]

クロスホールで潜る際のおすすめの持ち物

クロスホールは洞窟内を進むので、ダイビングライトを携帯するのをおすすめします。またダイブコンピューターも各自で用意していきましょう。

カメラは耐水性であっても、落としてしまった際などに耐水深度を超える可能性もあるので、水中専用ハウジングがあるものは使用していくとより安心です。

クロスホール内部は大きな空間になっているので、ワイドレンズを使用することでより迫力のある映像を撮ることができます。

ご参考までに、今回の撮影に使用した器材をご紹介いたします。

  • ダイブコンピューター
    メインのダイブコンピューターと予備のダイブコンピューター計2個
  • ライト
    広角ライト、スポットライト、予備のライト計3本
  • カメラ
    OLYMPAS TG-6&専用水中ハウジング、FISH EYEワイドレンズ
撮影機材

今回の使用器材。ライトは洞窟内を照らす広角ライトとマクロ生物を撮影する用のスポットライト、予備のライトの3本を持っていきました。

クロスホールを潜る

今回は船下が約8mの水深の場所にエントリー。宮古島ならではの透明度の高い海が出迎えてくれます。

エントリーポイント

エントリーした場所から上を見上げるとこの透明度

クロスホールの入り口は水深約20m前後にあるため、サンゴ礁でできた棚沿いにゆっくりと降りていきます。

このポイントは中が狭いため、他のチームが入り口付近で待っている場合があります。他のチームと混乱しないよう、きちんとガイドインストラクターの指示に従ってください。

クロスホールまでの道

入り口に向かう途中。緩い坂のようになっています。

入り口は一見すると人ひとりがちょうど通れるくらいの亀裂に見えます。この先は真っ暗になる場所があるため、ダイビングライトを持っている方はライトを点灯させて準備しましょう。

クロスホール入り口

ぽっかりと空いたクロスホールの入り口

入り口から降りていくと目の前には青いメインホールが見えてきます。ここから先のホール内は、下の砂を巻き上げてしまうと綺麗な写真や動画が撮れなくなってしまうので、しっかりと中性浮力を保ちながら進んでいきましょう。

下はホール入り口からメインホールまでの動画です。

メインホールは上部から降りそそぐ青い光で満たされていて、神秘的な空間が広がっています。この日は天候に恵まれたため美しい光のカーテンが現れていて、ダイバーの心を魅了していました。

クロスホールメインポイント

メインホール。美しい青の世界がとても神秘的です。

メインホールの真ん中から上を見上げると、十字の切れ目が見えます。

クロスホールからの風景

クロスホールのメインホールの真上を見上げた図

この割れ目を真上から見ると綺麗な十字型に見えるため、クロスホールと名付けられました。

クロスホール上部

クロスホールの上部。綺麗な十字型の割れ目がみえます。

南の島ならではの生態系の多さも魅力

クロスホールでは大小様々な生物にも出逢えます。

メインホール上部の割れ目部分では、ノコギリダイの群れがダイバーたちをお出迎えしてくれました。

ノコギリダイの群れ

ノコギリダイの群れ。のんびりしているので写真を撮りやすいです。

珊瑚礁の岩穴にはエリグロギンポが顔をのぞかせていることも。この子は入った穴が小さかったらしく、どれだけ近づいても頭が出ていたのが可愛かったです。

OLYMPAS TG-6の顕微鏡モードを使用することで、マクロ生物の写真も綺麗に撮影することができました。

エリグロギンポ

つぶらな瞳が印象的なエリグロギンポ。TG-6顕微鏡モードで撮影。

年に数回、タイミングが良ければホソカマスの群れの回遊に出会えるかもしれません。ホソカマスの群れは追いかけるとすぐに逃げてしまうため、気配を消してゆっくり近づいていきましょう。

ホソカマス

ホソカマスの群れ。出逢えるとラッキーです。

季節によってはウミウシにもたくさん出会えるため、マクロ好きの方でも楽しむことができます。4月から5月頃のウミウシ達は大きく成長しているため、比較的見つけやすいです。

こちらはキホシウロコウミウシ。ゆらゆら揺れる背中の突起がとても綺麗でした。

キホシウロコウミウシ

キホシウロコウミウシ。大きさは1cmほどですが擬態が上手なので見つけづらいです。

こちらはイガグリウミウシのペア。繁殖の時期にはこのように仲良く並んだウミウシを見つけることができます。

イガグリウミウシ

イガグリウミウシのペア。おしりのフサフサがとても可愛らしいです。

まとめ

クロスホールは夏に行ける地形ダイビングポイントの中ではトップ3に入る人気ポイントです。そのため7月や8月のトップシーズンよりも、5月や6月、10月などにリクエストを入れていくと、比較的ゆっくり楽しむことができます。

ダイビングにまだ慣れていないけどクロスホールで潜りたいと言う方は、少人数制でガイドをしてもらえるショップを選びましょう。

ポイント

また人によっては深度の変化が激しいため、耳抜きがしづらくなってしまう場合があります。潜降に不安がある人は予約時にダイビングショップにその旨を伝えれば、比較的浅い水深のブイを選んでもらえる可能性があります。

耳抜きが不安な方のためにこちらの記事で耳抜きについて解りやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

初心者でも分かりやすいダイビングの耳抜きの方法とコツ徹底解説

狭い入り口から暗い洞窟に入り、ゆっくりと進めばそこはぼんやりと青白い光が降りそそぐ巨大メインホール。静寂の中を静かに泳ぎ回るハタンポやアカヒメジの群れがきらきらと光輝きながら泳ぐ姿は、神聖な空気を感じます。また出逢える生物たちの多さもこのポイントの魅力のひとつで、何回潜っても潜り足りないほど、常に新しい楽しさを発見できます。

ぜひ宮古島ダイビングの際には、この素晴らしい楽しさを肌で体感してみてください。

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ろこ

寝ても覚めても海が好き。47都道府県に飽き足らず、海外まで理想の海を探し求めて、とうとうたどり着いたのが沖縄の離島、宮古島。移住者だからこそ気付く島のディープな情報をのんびりお届けします。趣味は車の運転、ボディーボード、ダイビング。年間300日は海水に浸かってます。

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