HONEN Fes!!!とは
HONEN Fes!!!は、国頭村の豊年祭(ほうねんさい/五穀豊穣や子孫繁栄の感謝・祈願のための祭り)の主旨を大切に守りつつ、若い世代、子どもたちも楽しんで参加できるような形にすることで、地域の持つ文化や魅力を伝え、発展させていきたいという思いから誕生。
台風などによる2回の延期を乗り越えて開催された昨年に続き、2回目となりました。国頭村を愛する20代、30代という若い世代が中心となって、国頭村の良さを伝え、将来を担っていく仲間を増やすという意図も込められた手作りのお祭りです。
何ができるの?
個性派揃いの飲食ブース、やんばるの自然の恵みを生かした手作り体験、ローカルアーティストたちのステージなど、会場内には「国頭村」の魅力がいっぱい。
これ以上は絞りきれない、6つのできることをご紹介します。
ハブを食べる!そのほか飲食ブース
やんばるの森の生態系の頂点に君臨するハブ。噛まれると死に至る場合もある強い毒でも知られていますが、実はハブは食用にもされていたそうなのです。
「毒は大丈夫なの??」と不安になってしまいますが、ハブの毒はタンパク質からできており、熱すれば無害なものに変わるのだそうです。主催の国頭カワウマ女子会のみなさんは、ハブややんばるの生態系を知るための入口として、このインパクト絶大のワークショップを始めたそうです。
今回提供されていたのは駆除対象のハブを泡盛と塩で漬け込み、冷凍したものを使ったスープ。身は少なく、こそげ取るようにして食べなければならないそうです。
凍ったハブのかたまり。
解凍が進むと徐々に独特の模様が鮮やかに現れ始め、まるで息を吹き返したように感じられます。
協力金100円をお支払いして心底恐る恐る口にしたスープは、まず泡盛のにおい。塩のみで味をつけた魚汁のような味わいの後に、何ともいえない風味が残るように感じました。恐らくは、これが爬虫類の味!
皮の部分を試食した勇気あるチャレンジャーにお話を伺ったところ、「コリコリしていてミミガーの水分が多くなった感じ」ということでした。
今後も定期的に行われるようです。一生に一度あるかないかの貴重な体験、ぜひチャレンジしてみてください。
このほか、さし草(アワユキセンダングサ)など野草天ぷら、ハイケイ(廃鶏。卵を産み終わった鶏、通常はスープにされる)の炭火焼やからあげ、そば、タケノコ入りのジューシー(炊き込みごはん)、シークヮーサースカッシュなど、地元のお店から様々なやんばるの恵みが提供されていました!
短時間・本格的!30分でできるちょうどいい琉装体験
あでやかな紅型柄とゆったりとした着付けが生むシルエットが独特の風情を感じさせる琉装。
首里城をはじめ様々な観光地で、さっと羽織るだけの簡単なものはよく見かけますよね。でも、羽織るだけでは簡単すぎて物足りない気持ちになったことはありませんか?かといって、旅行中に何時間もかけて着付けをするような時間はないし・・・。
ビューティウェーブのブースで体験できるのは、短時間で本格的な琉装。服の上から襦袢風の下着を着るため、タートルネックなどでない限り襟元から服が見えてしまうこともありません。
上着を脱ぐだけ、約15分で手早く着付けてもらえます。
残り15分は、草履をはいてやんばるの真っ青な海と空をバックに撮影タイム。風も陽射しも強くなかなかベストショットは難しいですが、それもご愛敬。
沖縄らしい景色の中でロケーション撮影気分を味わえます。
ヘアセットやメイクはついていませんので、強めの色味のリップと簡単なアップスタイルでお出かけになるといいですよ!
ビューティウェーブ琉装体験 1名2,000円(着付15分、撮影15分)※男性用もあり
クバ(ビロウ)の葉でかご作り
こちらの巨大なてのひらのような葉は、ヤシ科の常緑高木、「ビロウ」。
ウミンチュ(漁師)やハルサー(農家の人)がかぶるクバ笠や、お土産店に並ぶクバオージ(扇)に古くから用いられてきました。
一般的になっている「クバ」の呼び名は、固い葉という意味の沖縄の言葉、「クファバ」が詰まったものとされています。
くんじゃん草編みの会のみなさんによるワークショップで楽しめるのは、かご作り。
クバの葉を全部使えば大きなかごが、2等分や3等分にすれば小さなかごが作れます。
茎の部分を切り落とし、適当なところで割いて形を整え、残りを三つ編みにして固定(今回は針金が使われていましたが通常はここにも割いたクバの葉を使うそうです)。
反対側も形を整えて三つ編みにし、両端を合わせて細く割いたクバの葉で巻き込んで完成。
手伝ってくださる方々の熟練の手さばきは見事としか言いようがありません。
あまりに素早く、いとも簡単に出来上がってしまったのですが、細かな調整や力加減、バランスなど、経験を積まないと難しい部分がかなりあるように感じました。
このまま乾燥させると、味わいのある薄茶色に変化します。花や実を飾ったり、そのまま置いておくだけでも素敵ですね。
くんじゃん草編みの会 クバの葉1枚1,000円
木の実でヤンバルクイナ作り
子どもたちにいちばん人気だったのがこちら。頭部はテリハボクの実、胴体にモモタマナの実を使って作るヤンバルクイナです。
グルーガン、ドリルなども使うので小学生以下のお子さんには保護者の付き添いが必要になります。
丁寧に教えてもらいながら、材料を選び、マジックで色を塗ったり、ポーズを考えたりする子どもたちは楽しみながらも真剣そのもの。
30分ほどで完成したヤンバルクイナはこちら!どれも力作、今にも動き出しそうなリアルな雰囲気もありつつ、とてもかわいらしい仕上がりです。
モモタマナや松ぼっくりなどの飾りも国頭村ならでは。
木の実でヤンバルクイナ作り 1回500円
願綱作り
山のように積まれたわらから慣れた手つきで編まれていく「願綱(にげーづな)」。
国頭村奥間で2年に一度行われる大綱引きの際、南北両軍の引き手がはちまきのように頭につけるものです。作ったものをもらうこともできますが、奥間区青年会の皆さんに作り方を教えてもらい、作ってみるのがおすすめ!
- まずはなるべく長さの揃ったわらを6本取り、3本ずつ2束に分けます。
- 両端を足の指にはさんでしっかりと固定し、交差させて右側の束を前へ。
- 左手首あたりから右手を押し出すようにすり合わせ、縒ります。2つの束が混ざらず、それぞれで縒られるようにするのがポイント。
- 左手前のわら束を前に出し、同様に縒り合わせます。わらを縒る方向が常に反時計回りになることを意識すれば、失敗はかなりの確率で回避できるはずです。
最初はとても難しく感じましたが、コツがつかめたらすいすい進むようになり、ついはまって何度も作りたくなってしまいました。
来年の大綱引きの際は綱の作り手として参加したいです。
奥間区青年会 願綱作り 無料
ステージで伝統芸能を堪能
14:00からフラダンスや国頭村に縁の深いアーティストたちのステージが始まります。
夕方からは、子どもたちの歌三線、かわいらしくも本格的な琉球舞踊も。中でも味わい深い3つの演目をご紹介します。
醜童(しゅんどう/比地集落)
醜童は琉球古典舞踊の中で唯一仮面を使います。
美女2人、醜女2人の打組踊り(うちくみおどり/対照的な関係にある者たちの心のありようを主題とするもの)で、美しさを誇る美女と貞操を自慢する醜女が互いに譲らず、醜女のユーモラスな仮面(紙面=カビジラ)や動作が笑いを誘う演目。
醜女のひょっとこのようなお面や何かを押しやるような仕草には、確かに笑いを誘われます。
近くで見ていたにも関わらず全員女性だと思っていたのですが、琉球王朝時代からの伝統で演者はすべて男性であることが比地集落の特徴。やわらかく美しい所作にすっかりだまされてしまいました。
前之浜(めーぬはま/奥間集落)
前之浜は那覇港北岸にあった風光明媚な土地のこと。浜千鳥や渡し船の浮かぶ風景、祝いの座のにぎわいなどを表現します。
琉球古典舞踊の二才(にーせー/元服した青年)踊りで、振付に空手の型を取り入れ、力強さが随所に見て取れるものです。
侍を思わせる着物や髪形をしているのが印象的でしたが、薩摩藩や江戸幕府の要人の前で踊られたものということで、納得。
1634年から1850年まで計18回行われた江戸上り(琉球国王即位や江戸幕府将軍代替わりの際の使節派遣)にも伴われていたそうです。
獅子舞(奥間集落)
クヮー獅子(オジー/おじいさん)
写真右からミロク(みろく・みるく/弥勒菩薩。中国やベトナムなどの影響から七福神の布袋のようないでたち)、鬼、サーミンケー(ノミ取り猿)を引き連れて登場し、ステージ上を回ります。
奥間集落の獅子は、魔除けのみならず願いもかなえてくれる神獅子。五穀豊穣・子孫繁栄などを願い、お神酒を3回捧げます。
獅子がそれをすべて飲み干し、茶碗を倒さずに置くことができれば願いが叶えられるのだそうです。
獅子の様子は何ともかわいらしいもので、お神酒を準備するクヮー獅子(オジー/おじいさん)の横で「まだ?」というように覗き込んだり、歯を噛み鳴らして催促したり。ほかの地域のように暴れ回ったりはせず、じゃれている、という印象でした。
そのせいでしょうか、子どもたちは悲鳴を上げて逃げ出すどころか、我先にとステージ前に大集合。頭を噛まれるときにも、それを見ている子どもたちも、みんな楽しそうに笑っています。
奥間ならではのほのぼのとしたこの獅子舞、豊年祭などで見ることができるそうですよ。
持っていくといいものなど
会場中央のステージ前にはテーブルといすが用意され、自由に使うことができます。
ただし屋根はありません。少し涼しさも感じられ、比較的過ごしやすい時期ですが、まだまだ沖縄の太陽は元気です。水、日焼け止め、日差しを防ぐ帽子や日傘、サングラス、長袖の羽織りものは必要でしょう。
体験メニューでは天然素材やマジックなども使うため、参加する場合は汚れてもいい服やエプロンの着用をおすすめします。
終了時刻は21:00頃、海からの風も強く天候によっては肌寒い場合もあるので、調節しやすいものがベストです。足元は歩きやすいスニーカーなどがおすすめですが、ビーチサンダルなどでも問題ありません。
もし願綱作りにチャレンジするなら、はだしになってわらを押さえるので脱ぎ履きしやすいものを選んでくださいね!
詳細情報
開催日時
10/13(日)12:00~21:00
14:00~
やんばるソウル(ファミリーエイサー)
pua nani(フラダンス)
ヤンバラー宮城
じゅんぺい&さくら&とおる
#Reform(辺土名高校軽音楽部)
Y.B
HANA
いじゅぬ花(三線斉唱・舞踊)
国頭村比地区(舞踊:醜童)
国頭村奥間区(舞踊:前之浜)
奥間区獅子保存会(獅子舞)
国頭村青年会(エイサー)
※サブステージ
chibana yusuke(ライブペイント)
PEACE BARBERSHOP EAST OOST(メンズ、フェードカット)
開催場所
国頭浜漁港内 特設会場
住所:国頭村浜477-1
入場料
無料
問合せ先
HONEN Fes!!! 実行委員会
電話番号:090-3413-1196(HENTONA LOUNGE内)
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アクセス
【車】
那覇空港から約2時間
カーナビ設定
マップコード
485 799 098*37
駐車場
漁港内および漁港向かいに臨時駐車場あり
地図
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【那覇空港から公共交通機関を使う場合】
高速バス111番を利用。名護バスターミナルで下車、67番で辺土名バス停下車、徒歩約5分
国頭村観光情報コーナー
まとめ
国頭村青年会のエイサーとカチャーシーで大盛況の中幕を閉じたHONEN Fes!!!。
たくさんの若い世代や子どもたちが参加し、楽しんでいる様子が印象的でした。村内からの参加者が多く、ステージに乗るのもほとんどが村内関係者。みんなが顔見知りといったどこまでもローカルな雰囲気も、ほかの祭りにはない独特の魅力になっています。
伝統芸能や生活の中で伝えられてきた手仕事はとても深い味わいがあり、もっと見てみたい、もっと知りたい、と思うものばかり。来年のHONEN Fes!!!はもちろんですが、豊年祭をはじめとする様々な行事の際に出かけてみるのもおすすめです。
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