大綱曳とは?
沖縄県内各地で盛んに行われる綱引きは、ハーリーやエイサーと並ぶ伝統行事。農村行事に由来すると言われ、地域の豊漁・豊作祈願、厄払いなどの願いが込められています。
先端に輪を持つ2本の綱、雄綱(おづな)と雌綱(めづな)をカナチ(カヌチ)棒と呼ばれる太い棒で固定し、東と西、あるいは北と南に分かれて引き合い、その勝負により吉凶を占う場合も。綱は家内安全・厄除け・商売繁盛などの縁起物とされるため、終了後は参加者が一部を切り離し、持ち帰るならわしになっています。
一般的には年1回ですが、数年おきに行う場合、何年かに一度だけ大掛かりに行う場合など、地域によって様々な形で受け継がれているようです。旧暦6月15日、稲の収穫を祝う「6月ウマチー」前後や旧暦8月15日前後には綱引き開催を知らせる立て看板があちこちに出現します。
大綱曳開始前、太鼓や鉦を鳴らし、旗頭や手踊り、かけ声で士気を高め、お互いに気勢をぶつけ合うガーエー合戦、会場までの道ジュネー(パレード)、物語や歴史上の人物に扮し綱の上に乗るシタクなどが見られる地域もあり、見どころ満載です。
与那原大綱曳まつりとは?
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2019年に町制70周年を迎えた与那原町で440年余りの伝統を誇る一大行事。古くは旧暦6月26日に行われていましたが、第二次世界大戦後は旧暦6月26日以降の日曜日の開催となっています。
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2019年2月には、第23回ふるさとイベント大賞(地域活性化センター主催)で最優秀となる「内閣総理大臣賞」を受賞。幅広い世代が連携し、地域が一体となって継承してきたことが高く評価されての結果でした。
大綱曳会場とまつり会場を御殿山(うどぅんやま)青少年広場と与那古浜(よなこはま)公園に分け、混雑緩和や参加者の安全確保などにも配慮。
また、綱を編み始める段階から広く門戸を開き、「作る」「担ぐ」「曳く」を誰もが体験できる参加型イベントとしても注目されています。ステージには全国で活躍する沖縄出身アーティストも登場、会場を埋め尽くすほどの人が集まり、与那原町が1年でいちばんにぎわう2日間です。
何ができるの?
綱を作る(開催当日約2週間前~8月4日)
与那原大綱曳の主役・綱作りには、与那原町民のみならず誰でも参加可能。大綱曳開催の2週間ほど前に13の区で始まる綱作りのお手伝いができてしまうのです。開始時間は9:00頃、何時に来て何時に帰ってもOKとのことなので、「ちょっとだけお手伝いしたい」「綱を少しだけでも編んでみたい」という方も気軽に参加できそうですね。
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こうして作られた綱が東(あがり)と西(いり)でそれぞれ大綱に仕上げられるのは本番前日のこと。こちらは8:00から始まり、深夜までの作業になるようです。東西それぞれの綱作りに少しだけお邪魔しましたが、先端の輪の部分を仕上げる段階では、かなりの技術と体力が必要な様子でした。あうんの呼吸で手際よく作業を進める職人技と綱作りにかける情熱を間近に感じることができ、大綱曳をお祭りとしてのみでなく違った視点からも楽しめるようになると思います。ぜひ足を運んでみてください。
綱を担ぐ・曳く(8月4日)
大綱曳当日、綱を担ぎ、曳く「綱武士(ちなむし)」になりたい場合は15:00までに中央通りに向かい、東西どちらかの綱の両脇にスタンバイしてください。その際は動きやすい服装、安全のため足元は必ずスニーカーで!先着200名限定ですが、東は紫、西は赤のオリジナルTシャツを記念品としてゲットできます。
非売品で毎年デザインが変わるうえ、このTシャツを着てイベント会場に行けば、ライブ観覧スペースに優先入場できる特典までついてきます。一石二鳥どころか一石三鳥以上の価値ありなので、体力に自信のある方は迷わずチャレンジを!そして、全力で曳いて味方の綱を勝利に導いてくださいね。
綱の担ぎ方や綱曳の際の注意事項は集合時にもレクチャーがありますが、一度聞いただけで再現するのは難しいかも、と感じました。公式HPにもわかりやすく解説されているので、事前に目を通しておくといいかと思います。
観戦する(8月4日)
大綱曳会場は御殿山青少年広場。スタンド席が組まれ、座っての観戦も可能です。綱曳会場を俯瞰できるので、全体をしっかりと見たい方にはこちらで待つことをおすすめします。10:00にはこどもつなひきも始まるので、早い時間からの混雑は必至。席を確保したい場合はなるべく早めに出かけるといいでしょう。
もし体力と時間が許せば、東西の綱の道ジュネー(パレード)の起点となる中央通りに15:00頃までに出かけてみてください。法螺貝(ほらがい)や太鼓、鉦の音が響き、勇壮な旗頭に子どもや女性たちによる華やかな前舞(メモーイ)、袴姿も凛々しい少年たちの金鼓隊(きんこたい)など、とにかく盛りだくさん。威風堂々とした大綱の迫力はもちろん、揃いの衣装に身を包み、綱の先端を六尺棒で支える熟練の綱武士、後ろに続く本体を担ぐ綱武士たちの熱気も肌で感じられると思います。
一緒にガ―エー合戦や道ジュネーを楽しみながら会場入りし、そのまま大綱曳を観戦するのがおすすめ。臨場感たっぷり、迫力も満点です。
ライブを楽しむ(8月3・4日)
まつり1日目・2日目ともにまつり会場では様々な出演者によるステージイベントが行われます。午前中から夕方にかけては地元の子どもたちや団体による出し物が中心です。
1日目の見どころは、18:00からのオープニングセレモニーに登場する与那原町のイメージキャラクター「つなひきかちゃん」と、泡盛まさひろ酒造スタッフによるコミカルかつプロフェッショナルな「瓶踊り」。そして、今や甲子園の定番応援歌となった「ダイナミック琉球」で知られるイクマあきらのステージです。
2日目は、与那原町2つの青年会、板良敷青年会と与原区青年会によるエイサーに加え、石垣島生まれのエンタメバンド・きいやま商店、一度聴いたら忘れられない名曲「アンマー」を代表作に持つかりゆし58が登場します。
全国でも人気のアーティストが登場するとあって、この日の会場は夕方以降超満員。ライブをなるべくいい位置で見たい場合は、少なくともエイサーが始まる18:30頃までには会場に到着を。綱曳に参加してTシャツをゲットした場合は優先入場ができます。
花火(8月4日)
2日目のライブ終了後、熱気冷めやらぬステージ後方の空に花火が打ち上げられ、フィナーレが始まります。会場内のどこからでも見ることができますので、場所取りはさほど気にしなくていいでしょう。
やや低めに打ち上げられ、立っていると後ろの方の視界を妨げてしまうこともあるので、周りへの配慮も忘れずに楽しんでくださいね。花火の時間は10分ほど。大規模なものではありませんが、様々な色と形の花火が織り交ぜられ、町をあげてのまつりの締めくくりにふさわしい風情がありました。
持っていくべきものや気をつけたいことは?
水、日焼け止め、タオル、長袖、帽子(日傘は混み合った場合さしづらい場合もあります)、サングラスは必須。紫外線を防ぐ機能のある素材のものがおすすめです。最後の花火まで楽しみたい場合は、レジャーシートなどもあると便利。臨時駐車場から会場までの距離もありますので、足元は歩きやすいスニーカーなどがいいでしょう。
夏真っ盛りの沖縄の陽射しの強さ、蒸し暑さはかなりのものです。また、会場内はとてもたくさんの人でごったがえします。熱中症と紫外線には最大限の警戒をしてください。綱を持ち帰りたい場合、細かいわらが散ってしまうため、ビニール袋などがあると便利。お願いすれば切ってもらえるので、ナイフなどはなくても大丈夫かと思います。
飲み物は持参しておいた方が安心ですが、飲食ブースでも購入できます。沖縄県産きびまる豚を使ったメニューなど沖縄ならではのフードもありますので、出店ブースをひと巡りしてみるのも楽しいですよ。
また、与那原町は、2019年7月9日に「与那原町琉球泡盛で乾杯を推進する条例(泡盛で乾杯条例)」を町議会臨時会で全会一致の上可決・施行。瓶踊りでも登場したまさひろ酒造は、その立役者でもあります。出店ブースを訪れて、泡盛で乾杯!も粋ですね。
詳細情報
開催日時
8月3日(土)
中央通り
8:00~ 大綱作り※東西出来上がるまで(だいたい深夜頃)
与那古公園
11:00~ イベントオープニング
汐花、春翠、きら☆きらり子ども教室、コスモス保育園、与原保育園・東の森保育園、リズムすずな
17:00~ 与那原中学校&知念高校吹奏楽部
17:50~ 池原輝飛(第一回兄弟小節大会最優秀賞受賞者)
8:00~ オープニングセレモニー
与那原町イメージキャラクター「つなひきかちゃん」登場、まさひろ酒造瓶踊り他
19:00~ イクマあきら
20:00~ 山川まゆみ&島唄少女テン
8月4日(日)
御殿山青少年広場
10:00~ こどもつなひき
14:00~ 与那原小・与那原東小エイサー
15:00~ 大綱の担ぎ手中央通り集合
16:00~ ガーエー(えびす通り~国道331号線)
16:30~ 道ジュネー(中央通り~国道329号線~御殿山青少年広場)
17:00~ 大綱曳
18:30~ 全島角力(すもう)大会
与那古浜公園
11:00~ イベントオープニング
ダンススタジオルアナ、EXPG STUDIO OKINAWA、リンス、琉球大学教育学部附属中学校ダンス同好会
18:30~ 板良敷エイサー
18:45~ 与原エイサー
19:00~ きいやま商店
20:00~ かりゆし58
20:45~ 花火(70周年記念スペシャルバージョン)
開催場所
まつり会場
場所:与那古浜公園
住所:与那原町字東浜77
綱曳会場
場所:御殿山青少年広場
住所:与那原町与那原832
問合せ先
与那原大綱曳実行委員会・運営委員会、与那原町商工会
098-945-5323(観光商工課内)
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入場料
無料
アクセス
車
那覇空港から約35分
カーナビ設定
マップコード
33 105 896*66(御殿山青少年広場)
33 136 052*18(与那古浜公園)
那覇空港から公共交通機関を使う場合
ゆいレールに乗り旭橋駅下車。那覇バスターミナル6番のりば(39・41番)、7番のりば(30・37・38番)に乗車。「与那原」バス停下車、徒歩約5分(御殿山青少年広場)、徒歩約10分(与那古浜公園)
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駐車場
臨時駐車場あり
与那原小学校グラウンド(与那原町与那原735/50台)
※午前中には満車になる可能性大。大綱曳会場に最も近く、まつり会場までは少し距離があります。国道329号線沿いにあるので、帰路の渋滞を避けられる場合も。
東浜(あがりはま)野球場(与那原町東浜25/50台)
※お昼前後までなら空きがある可能性あり。国道329号線に近く、帰路は渋滞を抜けるまでの時間を短くできそうです。大綱曳会場・まつり会場どちらへもほどほどの距離。
与那原マリーナ(与那原町東浜70/300台)
※収容台数が多く、夕方頃でも空きを見つけられる可能性あり。まつり会場には最も近い臨時駐車場です。ただし、国道329号線から遠いため、帰路の渋滞に要注意。
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大綱曳当日(まつり2日目)のみシャトルバスの運行あり
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まとめ
今年の大綱曳では思わぬハプニングが。通常、勝負は2回行われるのですが、1回戦中に西の大綱が切れてしまったのです。
両者が力を込めて曳いている最中の出来事で、勢い余って後ろへ倒れてしまう方もおられ、一時場内は騒然となりましたが、大きな事故にならず幸いでした。この場合、綱が切れてしまった側の敗北となるのだそうです。2回戦は中止、この数年勝ちから遠ざかっていた東の勝利となりました(2回戦が行われた場合も1回戦の結果がその年の結果となります)。
滅多に起こらない事態(西の綱が切れたのは数十年ぶりだとの声もありました)に、西の綱武士たちは茫然と立ちつくし、無念の表情。どうして綱が切れてしまったのか尋ねてみると、「雨の日が多く原材料となるわらの乾燥が十分でなかったことも原因のひとつかもしれない」との答えが。綱作りや綱曳にかける思いに加え、数週間後に久米島へ貸し出すために普段は使わない補強用のロープも組み込んだ綱だったそうで、そのショックの大きさは察するに余りあるものでした…。西の皆さん、来年は今年の分も完全燃焼できるよう祈っています。
2020年の開催は8月15日(土)・16日(日)に決定。大綱曳までに行われる様々な行事から当日の交通規制や臨時駐車場案内まで、フェイスブックや公式HPで細かく情報発信されています。各区の綱作りから参加したい方は、2~3週間ほど前には情報が上がってくるはずですので要チェックです。
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