ハーリー(ハーレー)とは?
ハーリー(ハーレー)は、旧暦5月4日(ユッカヌヒー)を中心に豊漁や海の安全を願って行われる、サバニ(小型の漁船)や爬龍船(はりゅうせん/舳先に竜頭などの装飾をつけた比較的大型の船)を使った競漕です。糸満市では海人(ウミンチュ=漁師)たちが伝統的に使ってきた呼び名を尊重し、1977年以降「ハーレー」を使用しています。
14世紀に中国から伝わったという説などがあり、琉球王国の国家行事として盛んに行われていましたが、廃藩置県(1879年)により廃止。第二次世界大戦後の本土復帰記念に開催された沖縄海洋博覧会(1975年)を機に復活した、琉球王国の歴史を今に伝える行事です。
屋慶名(やけな)ハーリーとは?
那覇空港から車で1時間強、無人島・藪地島への藪地大橋にほど近い、屋慶名漁港を会場に行われるハーリー。美しいエメラルドグリーンの海で知られる屋慶名海峡も目の前にあり、眺望も抜群。地域の中学校によるマーチングバンド演奏、マリンショップによるフライボードパフォーマンスも行われる地域色満載のお祭りです。
東西拝み(御願/お祈り、祈願)バーリー、職域(一般参加)ハーリーなどが行われた後には、子ども・一般の角力(すもう)大会も開催されます。
何ができるの?
ハーリーばかりでなく、沖縄角力やマーチング・マリンレジャーまで楽しめてしまう、何とも盛りだくさんな屋慶名ハーリー。オープニングからご紹介します。
オープニングセレモニー
吹奏楽部の軽快な演奏とともに、御願を終えたハーリー船が漁港内に姿を現します。万国旗やペーパーフラワーで装飾されたハーリー船はとても華やか。
続いて行われた与勝中学校吹奏楽部によるフラッグやダンスも織り交ぜながらの息の合った演奏に、会場は大盛り上がりでした。
その後、海上ではブルーラグーンオキナワによるフライボードパフォーマンスが。スリリングな技を連続して披露、見ごたえたっぷりでした。
拝み(御願)バーリー・上がい(あがい/上がり、最後の)バーリー
出場チームを集めた開会式が行われた後、いよいよ拝み(御願)バーリーが始まります。赤い衣装の東と、緑の衣装の西2チーム、8人の漕ぎ手と舵取り、鉦打ち各1人の計10人による競漕で、開始前にも終了後にも特に儀式は行われません。競うという雰囲気はあまりない、和やかな競漕に感じられました。
職域ハーリーの後に行われる、締めくくりの最後の勝負が上がいバーリー。拝みバーリーと同様、東西で争われます。
会場からほど近い藪地島(やぶちじま)へ渡ってみると、「屋慶名龍神宮」の看板が。
急勾配の階段を通って藪地大橋の下に降りると、海岸沿いに小さな石碑が建てられていました。毎年のハーリーを、ひっそりと見守っておられるのかもしれません。
職域ハーリー(9:50~)
うるま市の一地域のハーリーでありながら、何と42ものチームが参加し、2チームずつ21のレースが行われる職域ハーリー。
地元の中学校や高校、老人クラブ、PTAや同級生チームといったローカルな名前がずらりと並びます。気合の入ったエーク(櫂)さばきを見せるチーム、出場すること自体を楽しんでいるチームなど様々。優勝は、オープニングでパフォーマンスも行い、抜群のチームワークを見せたブルーラグーンオキナワでした。
角力大会・マリンレジャー体験
ハーリーが終わり、表彰・閉会式が執り行われた後、会場内に土俵が出現。子ども・一般の沖縄角力大会が始まります。沖縄の角力は、紅白の鉢巻と帯を結び、互いの帯を掴んで四つに組んだところから勝負が始まります。相手の背中を土俵につけた方が勝ちとなり、3本勝負で行われることが多いようです。
角力大会が始まってしばらくすると、港内ではバナナボートやグラスボートの無料体験が行われます。
これを目当てに訪れている子どもたちも多いようで、特にバナナボートは大盛況。絶景を味わいつつ楽しめるので、かなりおすすめです。特にアナウンスなどはなく始まるので、参加したい場合は本部席などで問い合わせてみてもいいかもしれません。
持っていくべきものや気をつけたいことは?
水、日焼け止め、タオル、長袖、帽子(日傘は混み合った場合さしづらい場合もあります)、サングラスは必須。バナナボートの体験などもできますので、ラッシュガードなど、紫外線を防げて海にも入れる服装がベストです。足元が滑りやすいところもあるので、スニーカーやマリンブーツなど底がしっかりとしたものを選ぶのがいいでしょう。
例年梅雨明け前後で湿度も気温も高く、晴れた場合の陽射しの強さ、蒸し暑さはかなりのものです。たとえ短時間の観戦のつもりでも、熱中症と紫外線には最大限の警戒を。空調のきいた施設は近隣にありません。できるだけ陽射しを避け、会場内に設置されたテント内の椅子に座って観戦するのがおすすめです。
スタート・ゴールは桟橋で、屋慶名海峡手前で折り返します。折り返し地点近くの波打ち際では、「トントンミー」の愛称で親しまれるミナミトビハゼなどを間近に見ることもできますよ。
飲み物は持参しておいた方がいいと思いますが、飲食ブースや自動販売機でも購入できます。地域のお祭りなので、価格設定もとても良心的。少年野球チームの資金造成のためのブースもありました。
詳細情報
開催日時
2019年6月16日(日) 11:00~
スケジュール
オープニングセレモニー
- 東西拝み(御願)バーリー
- 職域ハーリー(42チーム・21レース)
- 上がいバーリー
- 閉会式
- 子ども角力(学年別)
- 一般角力(軽量級・重量級)
※バナナボート体験等あり
開催場所
屋慶名漁港
住所
沖縄県うるま市与那城屋慶名1519-2
問合せ先
屋慶名自治会・ハーリー実行委員会
公式サイト
入場料
無料
アクセス
車
那覇空港から約1時間10分
カーナビ設定
マップコード
499 515 726*83
駐車場
漁港内に駐車スペースあり
※あまり台数は停められないようなので出発はお早めに。臨時駐車場などはありませんでした。
地図
ストリートビュー
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まとめ
与勝中学校吹奏楽部によるマーチング、ブルーラグーンオキナワによるフライボードパフォーマンスや無料のマリンレジャー体験に角力まで。豊漁、航海安全、地域の繁栄を願うハーリーのみならず、たくさんの楽しみが詰まった屋慶名ハーリー。いかがだったでしょうか。
BBQやマリンレジャーなども満喫しつつ参加する地域の方々が主体のお祭り。観光客や地域外からの来客はあまり想定されていないからこその、温かく心和む雰囲気が感じられました。
快晴だったこともありますが、屋慶名海峡の絶景はまさしく想定外。石垣島の川平湾を思い出させるようなエメラルドグリーンの海の美しさにすっかり目を奪われてしまいました。
沖縄のローカルなお祭りの雰囲気と伝統のハーリーを、美しい景色とともに楽しめる屋慶名ハーリー、ぜひ一度足を運んでみてください。
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