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ホエールウォッチング

沖縄でホエールスイムに挑戦したらクジラのスケールに驚愕!

執筆者 : トニー

冬の沖縄の海と言えばクジラ!

世界最大の哺乳類。その大きな身体を間近で見る事ができるとなるとダイバーでなくてもホエールウォッチグに行きたいと思うのではないでしょうか?

沖縄でのホエールウォッチングと言えば久米島や石垣島が有名ですが、本島でもクジラのダイナミックな姿を見る事ができます。今回は、水中でのホエールウォッチングいわゆるホエールスイムでの動画撮影に挑戦してきました。

沖縄で出会えるクジラ

沖縄のホエールウォッチングで最もポピュラーなクジラはザトウクジラです。ザトウクジラは、夏の間シベリアなどの海で生活し、日本が冬を迎えるこの時期に出産と子育ての為に沖縄近海にやって来ます。

ホエールスイムをすれば、水中で親子連れのクジラはもちろん「エスコート」と呼ばれる雄のクジラの姿を見たり声を聴く事もできるのです。

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ホエールスイムとは

ホエールスイムは、字の如くクジラと一緒に泳ぐことです。クジラに与えるストレスを最小限にする為に、タンクを使わないスキンダイビングとなります。ホエールウォッチングをする海域で海に入る訳ですから、波が高かったり流れがある事もありますので、それなりにスキンダイビングのスキルが必要となります。

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機材の準備

ホエールスイムでは、クジラにとっては見たことのない「人間」と言う動物が突然近づいてくるのですから驚くのは当然です。

なので、クジラへのインパクトを少しでも少なくする為に、ライト類は使用しません。カメラからストロボやライトを全て取り外し、内蔵ストロボも発光しない様に設定を変更して下さい。

また、水深の深い海でのスキンダイビングですから、カメラを手から離すと二度と拾い上げる事はできなくなってしまうので、必ずリストラニヤード(水中ノート、ライト、カメラなどを手首に固定するストラップ)などを使用して高価なカメラを海の藻くずにしない様に注意して下さい。

クジラの生態

船の上から見るホエールウォッチングとは違い、クジラの住む海と言う世界に我々がお邪魔するのですから、少なくとも生態くらいは勉強して行きましょう。

ザトウクジラは体長13〜15メートル、体重は約30トン。長い胸ビレが特徴で、その長さは5メートルもあるそうです。また、尾ヒレの白と黒の模様は人間の指紋の様に個体ごとに異なり、これを確認して個体識別していると聞きました。調査員の人たちはクジラの姿を見ると「このお母さんはフレンドリーですよ」などと情報をたくさん持っています。

先にも書きましたが、ザトウクジラは出産と子育ての為に、遠いシベリアから沖縄近海へやって来ます。赤ちゃんと言っても生まれた時から体長4〜5メートル、体重は2トン程もあり、水中で出会うとかなり迫力があります。

そんな大きな身体をしたザトウクジラの食事は、主にプランクトンや小魚と言われています。そのうえ、食事をするのはシベリア付近で夏の時期だけで、沖縄近海ではほとんど食事をしないそうです。それだけの食事でどうやってあの大きな身体を維持し、パワーを生み出すのか謎に包まれています。

ホエールスイムの心得

何といっても忍耐です。

ホエールウォッチングならば、少し離れていてもクジラのブロウやブリーチなどを見る事ができます。実際、ホエールスイムに出ている期間、ほぼ毎日船上からクジラの姿を見る事はできました。

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しかし、クジラの姿を水中で見る為には、もっと近寄らなくてはならないのですが、クジラはとても臆病な生き物です。

特に子どもを連れた母親は神経質になっている個体も少なくない様です。船長が慎重に間合いを詰めてくれるのですが、一日掛けても全くダメだったと言う事もザラにあります。その間、我々ダイバーは船長を信じて待つしかないのですが、船上からは大海原を泳ぐクジラの姿を見る事ができるので、間近に迫ってくるクジラの大きな姿に心が踊る事は間違いないです。

いよいよホエールスイム

船長からスタンバイの声が掛かったら、ウエットスーツを全て着用し、マスクやウエイト、フィンを装着。カメラを手に船縁で待機しますが、この間も船のどちらの方向にクジラの姿があるか確認しておきましょう。

「GO」の合図で順番に入水します。慌てず他のダイバーのサポートをしてあげるくらいの余裕を持ちましょう。水面で大きな音を立てない様に、できるだけ静かにエントリーしたら船から離れ、船上で確認したクジラの方向へ泳ぎます。これでクジラの姿を発見できれば良いのですが、見えない時はボートクルーが方向を指示してくれるのでそちらを確認しましょう。

クジラは思ったより早い速度で泳いでいます。姿を見つけてもなかなか追いつく事はできませんので、くれぐれも深追いは注意して下さい。他のダイバーとの距離を常に確認して、単独行動は取らない様にしましょう。

クジラとご対面

海に入り目にしたのは、待ちに待った水中でのクジラの姿。目の前に現れたのは子クジラですが、やはり世界最大の哺乳類。その大きさは以前出会ったイルカとは桁違いの大きさです。我々の思いを知ってか知らずか、少し目の前でその姿をゆっくりと見せてくれた後、母親の元へ戻って行ったのですが、その母親の大きさが半端ありませんでした。

さっき目の前で大きなぁと思っていた子クジラの姿が、母親に寄り添うと小さく見えてしまうのです。我々人間なんてホント小さな存在なんだと実感してしまいました。

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泳いでいる間は

ついついクジラに熱中してしまうのですが、時々ボートクルーの指示を確認しクジラの方向を教えてもらったり、その他の合図を確認します。「戻れ」のが出たら速やかに船の方向に戻りますが、その際に走っている船に追いつく事はできない(たぶん・・・)ので、グループでまとまって水面で待機します。しばらくすると、くるっと転進したボートが迎えに来てくれます。

ボートに戻ります

クジラの姿を間近で見て興奮しているかもしれませんが、家に帰るまでが遠足です!と子どもの頃に言われていた様に、全員が船に上がるまでがホエールスイムです。カメラをボートクルーに渡し、フィンを脱いでエキジットしますが、我先に船に上がるのではなく、順番にエキジットしましょう。ここでも他のダイバーの手助けをできるくらいの余裕が欲しいものですね。

そして、船上に全員が無事に戻ったらクジラの雄大な姿を間近で観察した喜びを爆発させましょう。

まとめ

ダイバーでもそうでなくても楽しめるホエールスイム。

ホエールウォッチングより一歩クジラに近付けるアクティビティですが、それだけに相手に与えるストレスや自分自身への危険も増える事は間違いありません。ルールを守り自然に対する敬意を持ってこの貴重な体験を共有できればと思います。

優雅で大きなクジラの姿を水中で見てしまったら病み付きになる事は間違いありません。その証拠に今年も遭いに行く準備をしているのですから・・・

 

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有限会社オクト

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トニー

東内宏治 岡山県生まれ 愛知県在住 東海地区を中心に水中動画のカメラマンとして活動すると同時に、沖縄のプロダイバー養成センターの講師を勤める。 海が大好きで、仕事抜きで年中潜り続けるオヤジダイバー!元インストラクターの視点から、沖縄の海の魅力を発信します。 有限会社オクト東内宏治のWEBサイト http://oct-inc.com

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