沖縄空手セミナーとは?
8月6日・7日に開催された各流派の範士・教士・師範による型や基本指導のセミナー。沖縄県立武道館と沖縄空手会館の両会場合わせて各日程20のプログラムが準備され、熱の入った指導が行われました。
競技大会には出場しなかった参加者や監督らも多く受講し、延べ2300人が参加したそうです。どのセミナーもたくさんの国の人々で大盛況。午前・午後2時間1コマでの開催で、受講者には講師から終了証が手渡されていました。
沖縄空手セミナー1日目
まずは沖縄空手会館へ向かい、少林寺流範士9段の佐久川政信さん、小林流範士10段の宮城驍さんの首里・泊手系のセミナーを見学しました。
伝統空手を沖縄の師範から直接学ぼうと参加した方々で会場はいっぱい。初心者から有段者、空手歴も国籍も様々な受講者に向け、基本動作や型について、なぜそういう動作になるのか、どんな意味があるのかというところから、実践や質疑応答などきめ細やかに指導されていました。
午後は沖縄県立武道館へ。アリーナで剛柔流範士9段の喜久川政成さん(那覇手系)、上地流教士8段の島袋春吉さん(上地流系)、古武道範士9段の赤嶺浩さん、古武道範士10段の儀保宜裕さんのセミナーが行われていました。いずれも講師陣の丹念な指導が行われ、受講生は熱心に耳を傾け、技を磨いていました。
沖縄空手セミナー2日目
丁寧な指導が行われていた少林流範士10段の島袋善保さん(首里・泊手系)のセミナーでは、活発な質疑応答の中で子どもたちからも質問が飛び出し、頼もしい限り。剛柔流範士東恩納盛男さん(那覇手系)のセミナーでは、壺などを使った伝統的な鍛錬法も紹介され、受講者は興味深そうに取り組んでいました。
沖縄県立武道館で行われた剛柔流範士9段の池宮城政明さんのセミナーは、迫力ある型や約束組手の指導が行われる中でも、ユーモアを交えた優しい語り口で笑いが絶えない和やかな雰囲気が印象的でした。古武道範士9段の赤嶺浩さんのセミナーでは、棒やサイなどの基本動作や型を熱心に指導していました。
まだサイを扱えない小さな子どもたちに、場外で空手の基本を教えていたのはイギリスから来られたPaul先生。何とも心温まる光景でした。
まとめ
両日、午前中は沖縄空手会館、午後は沖縄県立武道館へ足を運んで各セミナーを見学させていただきました。
まず驚いたのは、受講生が本当に多国籍で熱心なこと、そして、講師あるいはアシスタントに英語が堪能な方が複数いらっしゃるのがほとんどだったこと。空手の動作についてはもちろん、精神面の細かなニュアンスについてもしっかりと英語で伝えておられました。考えてみれば、英語をはじめ外国語にも通じていなければ、沖縄空手がこれほどまで世界に広がるはずもありません。普及と発展に努力して来られた方々が積み上げてきた土台の上に、今の沖縄空手があるのだと感じ、頭の下がる思いでした。また、受講生の側も空手とともに日本語も学ぼうという意欲が強く、伝える側と受け取る側、双方の熱意がとても印象に残りました。
私も中学生レベル以下の英語力で何とかコミュニケーションを取りましたが、言いたいことは半分言葉にできればましな方、相手の話していることも半分わかればよくできた方というていたらく。もっとしっかり勉強せねばと、努力不足が身にしみました。
次回第6回は、ついに最終回!国際大会のまとめと海外参加者の声をお伝えします。
前回の記事はこちら▶︎ 2018年第1回沖縄空手国際大会・第4回8月5日・本大会 決勝・準決勝・3位決定戦
コメント