琉球泡盛カクテルチャレンジアジアカップとは?
2019年4月21日(日)、恩納村のリザンシーパークホテル谷茶ベイを会場に行われた大会。一般社団法人泡盛マイスター協会が主催し、台湾・韓国・シンガポール・ベトナム・日本の5か国から選手が参加します。泡盛の普及と観光産業の活性化、琉球泡盛文化の継承に貢献し、将来を担う人材育成と資質向上も掲げられています。
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- ネーミング・創作意図・独創性 5点
- 色彩・デコレーション・素材の活かし方 5点
- 味覚・香り・アフターテイスト 10点
- テクニカル・シェーキング等の技術 10点
- 審査員主観・清潔感・礼儀・熟練度 10点
- 時間の正確さ(ショートカクテル4分/ロングカクテル5分) 5点
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の6つの内容を対象として、ショートカクテル(3~5オンス)とロングカクテル(8~10オンス)各部門5名の審査員が判定を行います。
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- ショートカクテル(3~5オンス) 4分
- ロングカクテル (8~10オンス) 5分
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グランプリは内閣総理大臣賞。今大会には、書類選考を通過したショートカクテル部門14名、ロングカクテル部門11名の選手がエントリーしました。
何ができるの?
大会観戦
大会観戦は入場無料。お子さんから大人まで、たくさんの一般の方々が大会の様子を楽しんでいました。
ショートカクテル部門・ロングカクテル部門ともに、競技は2名1組で進行します。ステージに立った選手たちは、カクテルに込めた意図や思いをスピーチ。海外から参加した選手が日本語で、日本から参加した選手が英語で話す場面もありました。
長嶺花菜さん、アシスタント金城裕子さんの解説のもと、手早く、さらに見せる要素も盛り込みながら、それぞれに工夫を凝らしたパフォーマンスを披露していきます。
完成した両者のカクテルは、カクテルレディの手で審査の場へ。
審査委員長塩川学(しおかわまなぶ)さん(一般社団法人泡盛マイスター協会相談役)、副審査委員長北村聡(きたむらさとし)さん(NPO法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構エグゼクティブスペシャリスト)を筆頭に、
ショートカクテル部門は
Tan Leng Koeng Benjamin(タン・レン・コエン・ベンジャミン)さん(シンガポールバーテンダー&ソムリエ協会副会長)
Vo Tan Si(ボウ・タン・シー)さん(サイゴンバーテンダーズ協会会長)
高里悟(たかざとさとし)さん(MONGOL800ドラム/ボーカル)
ロングカクテル部門は
Tsou Hui-Fen(ツォン フェイ フェン)さん(台北市調酒協会理事長)
森正人(もりまさと)さん(リザンシーパークホテル谷茶ベイ専務取締役)
新里葵(しんざとあおい)さん(2018年度泡盛の女王)
が審査に臨みます。
独創性や見た目の美しさ、味わいなどはもちろん、技術や清潔感も審査対象。
パフォーマンスを終えた選手たちには温かい拍手が贈られていました。
ロビーでの試飲など
競技が終了し、カクテルパーティーおよび表彰式の準備が行われる間、ロビーでは
沖縄県産ゴーヤーのすりおろしとライム、トニックを使用した「58KACHA-SEA(ゴーヤーカチャーシー)」の試飲や、
第6回大会優勝者・大城孝補(おおしろこうすけ)さん、第10回大会優勝者・小波津孝(こはつたかし)さんによる特別創作試技も行われました。
準備から提供まで無駄がなく洗練された動きで、シェイキングの際にはたくさんの方が集まり、写真や動画を撮る姿も。お二人のカクテルは数量限定ではありますが提供され、好評だったようです。
カクテルパーティー
総務省地域力創造グループ審議官 佐々木浩さん、
衆議院議員 下地幹郎さん、
沖縄県商工労働部ものづくり振興課課長 古波蔵寿勝さん、
台北駐日経済文化代表處那覇分處處長 范振國さん、
恩納村村長 長浜善巳さん
の挨拶の後、会場となったリザンシーパークホテル谷茶ベイの専務取締役、ロングカクテル部門の審査委員も務めた森正人さんの乾杯の音頭でパーティーの幕が上がります。立食形式でブッフェも用意され、カラフルな泡盛カクテルも提供されていました。
大会に出場した全選手が一斉にシェーカーを振り、各々の作品を参加者にふるまうテイスティングタイムも。
全選手のカクテルがロビーに展示してありましたので、飲んでみたいカクテルをいくつか選び、狙いを定めておくといいかもしれませんね。
創作衆桜輝による創作エイサーやユネスコ無形文化遺産登録の資金造成チャリティーオークション、ホテル宿泊券や食事券・泡盛などが当たる抽選会、2019年泡盛の女王・砂邊由美さんとのじゃんけん大会なども行われ、会場は大いに盛り上がりました。
Tan Leng Koeng Benjamin(タン・レン・コエン・ベンジャミン)さん(シンガポールバーテンダー&ソムリエ協会副会長)、Tsou Hui-Fen(ツォン フェイ フェン)さん(台北市調酒協会理事長)、Vo Tan Si(ボウ・タン・シー)さん(サイゴンバーテンダーズ協会会長)
のお三方の挨拶では、沖縄の泡盛がアジアの中でも着実に知名度を上げていることが感じられ、特に台湾ではすでに数百人の泡盛マイスターが誕生しているというお話もあり、その人気ぶりが伺えました。
表彰式
副審査委員長も務めた北村聡さん(NPO法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構エグゼクティブスペシャリスト)の総評の後いよいよ表彰式です。
難航したという審査の結果は、下記の通りでした。
台湾調酒協会理事長賞
ショートカクテル部門「らんたん」
米須清彦(こめすきよひこ)さん(沖縄県 株式会社ロワジールホテルズ沖縄)
読谷村で行われるランタンフェスティバルの温かな灯火と幻想的な風景を映し出したカクテル。残波43度、バナナリキュール、シークヮーサーなどが使われています。
エアポートトレーディング株式会社賞
ロングカクテル部門「Shima Hervest」
Sylvester Foo (シルヴェスター フー)さん(シンガポール Marina Bay Sands renku Lounge)
仲間や家族と一緒に過ごす温かい幸せをイメージ。白く泡立った表面に鮮やかな緑色のデコレーションのカクテルです。
海乃邦25度、抹茶、ココナッツリカーなどが使われています。
※沖縄県知事賞とW受賞
ベストネーミング賞
ロングカクテル部門「World Uru」
上原梨実(うえはらりみ)さん(沖縄県 リザンシーパークホテル谷茶ベイ)
シークヮーサーを加えると青から紫へと変化する、「美しいウール(沖縄の方言でさんご)を守りたい」という気持ちが込められたカクテル。
利山8年古酒、トリプルセック、バタフライピーティーなどが使われています。
審査委員特別賞
ショートカクテル部門「southern spring wind」
奥原聖祥(おくはらとしあき)さん(沖縄県 リザンシーパークホテル谷茶ベイ)
南の島に爽やかな風が吹く春のイメージ。エメラルドグリーンに沈む赤が目を引くカクテルです。
守禮3年古酒43度、サワーアップルリキュール、パルフェタムールなどが使われています。
沖縄県商工会議所連合会会長賞
ショートカクテル部門「Starry Night~万座毛の夜空~」
當山一之助(とうやまいちのすけ)さん(沖縄県 リザンシーパークホテル谷茶ベイ)
恩納村にある景勝地、万座毛(まんざもう)のきらめく夜空をイメージしたカクテル。
NAVI20度、パルフェタムール、パッションフルーツシロップなどが使われています。
ロングカクテル部門「Meet the difficulties」
Weng Lian-Jun(ウォン リエン ジュン)さん(台湾 Rute9cafe)
恐れや不運、トラブルに見舞われたとき、勇気づけてくれるものを集めて作ったというカクテル。
くら25度、エルダーフラワーリキュール、フレッシュレモンジュースなどが使われています。
沖縄県酒造組合理事長賞
ショートカクテル部門「King Orient」
潮平憲二(しおひらけんじ)さん(沖縄県 金秀バイオ株式会社)
琉球国王の王冠に輝く宝石と金のかんざしをモチーフにした茜色のカクテル。
残波43度、アマレット、シークヮーサーなどが使われています。
ロングカクテル部門「The Beauty of Okinawa」
Yang Chih-chien(ヤン チー チェン)さん(台湾 Rute9cafe)
沖縄の美を表した、女性にぴったりのビビッドな赤のカクテル。
久米島の久米仙40度、ラズベリーリキュール、フレッシュレモンジュースなどが使われています。
沖縄県酒造組合会長賞
ショートカクテル部門「Hometown」
Pan Ting-Xuan(パン ティン シュエン)さん(台湾 Taitung Texas Bar)
故郷の美しい景色や豊かな文化を表現したという優しい色合いのカクテル。
久米島の久米仙30度、エルダーフラワーリキュール、自家製レッドウーロンシロップなどが使われています。
ロングカクテル部門「La vida」
Tsai Wei-Ting(ツァイ ウェイ ティン)さん(台湾 Rute9cafe)
スペイン語で「人生」を表す「La vida」と題されたカクテル。
菊之露5年古酒40度、サワーアップル、エルダーフラワーシロップなどが使われています。
那覇市長賞
ショートカクテル部門「Romance」
前田勇治(まえだゆうじ)さん(鹿児島県 サロンバーエスポワール)
沖縄の海を舞台に始まるロマンスをイメージしたカクテル。
残波ブラック40度、ブルーキュラソー、ヨーグリーナなどが使われています。
ロングカクテル部門「Friendship~Ties of Asia~」
野坂剛(のさかごう)さん(北海道 札幌グランドホテル)
凝った造りのシーサーもかわいらしい、アジアの絆への思いを込めたカクテル。
残波43度、ピンクグレープフルーツ、たんかんジュースなどが使われています。
総務大臣最優秀賞
ショートカクテル部門「Blue Okinawa」
Phuong Minh Nguyen(フォン・ミン・グェン)さん(ベトナム Saigon Bartenders Association)
真夏の沖縄の海を連想させる鮮烈な青が印象的なカクテル。
残波40度、ブルーキュラソー、ライチリキュールなどが使われています。
沖縄県知事賞
ショートカクテル部門「Asian Forest」
岡野悠(おかのはるか)さん(広島県 福山ニューキャッスルホテル)
アジアの豊かな自然をテーマに、新緑の癒しの森を連想させるカクテル。
菊之露5年古酒、サワーアップル、エルダーフラワーシロップなどが使われています。
ロングカクテル部門「Shima Hervest」
Sylvester Foo (シルヴェスター フー)さん(シンガポール Marina Bay Sands renku Lounge)
※エアポートトレーディング賞と同時受賞
総務大臣最優秀賞
ロングカクテル部門「Ruby」
Lin Chia-Sheng(リン シャ シェン)さん(台湾 Uh-der Vocational High School Insutructor of Bartender Club)
愛と情熱のシンボル・ルビー色にこだわった、グラスにも工夫を凝らしたカクテル。
久米仙43度、ストロベリーリキュール、フレッシュグレープジュースなどが使われています。
内閣総理大臣賞
ロングカクテル部門「Greatful Sunset」
平良恒人(たいらつねと)さん(沖縄県 ロワジールホテル那覇)
神々しい光で温もりと安らぎを与えてくれる夕日への感謝が込められたカクテル。
残波43度、ドライオレンジ、シークヮーサーなどが使われています。
持っていくべきものや気をつけたいことは?
競技中も会場の出入りは自由。ご家族連れでも気軽に足を運べる雰囲気で、小さな子どもたちもたくさん観戦していました。選手たちの洗練された手さばき、創造性豊かなカクテルに込められた思いに触れに行くだけでも楽しめると思います。
ロビーやカクテルパーティーでの泡盛カクテルの提供もありますので、飲酒される場合は那覇市の県庁前広場前から運行している無料シャトルバスや公共交通機関、またはハンドルキーパーと一緒にお出かけください。また、泡盛のアルコール度数は30度程度、3年以上寝かせた古酒(クース/こしゅ)は40~45度になるものもあります。カクテルだから、少しだからと油断せず、飲みすぎには充分に気をつけてくださいね。
詳細情報
開催日時
2019年 4月21日(日) 14:00~19:45(13:30開場)
13:30 開場
14:00 開会・選手入場
14:05 会長挨拶・来賓挨拶・審査員紹介・競技説明
14:30 ショートカクテル部門
15:30 休憩
15:40 ロングカクテル部門
16:40 休憩 ロビーにて特別創作試技など
17:20 カクテルパーティー
19:00 表彰式
19:15 閉会
開催場所
リザンシーパークホテル谷茶ベイ
沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1496
問合せ先
大会事務局(一般社団法人泡盛マイスター協会)
公式サイト
入場料
14:00~16:45 大会観戦無料
17:00~19:45 カクテルパーティー・表彰式 前売2000円、当日3000円
アクセス
無料シャトルバス(大型バス2台)が運行
12:30県庁前県民広場(那覇市)発
21:00リザンシーパークホテル谷茶ベイ発
※出発時刻の10分前までに集合
車
那覇空港から約70分
カーナビ設定
マップコード 206 158 097*33
那覇空港から公共交通機関で向かう場合
Cエリア・CDエリアより空港リムジンバス利用
駐車場
あり 有料
※優待あり
地図
ストリートビュー
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まとめ
第15回内閣総理大臣賞琉球泡盛カクテルチャレンジアジアカップ2019の様子をお伝えしました。
受賞された選手の皆さん、惜しくも受賞を逃した選手の皆さんにも、心から拍手をお送りしたいと思います。最優秀の内閣総理大臣賞を受賞したのはロワジールホテル那覇の平良恒人さんでした。「Greatful Sunset」にはシークヮーサーやパイナップルジュースなど沖縄県産の素材も多く使われ、とてもジューシーなイメージですが、どんなお味だったのでしょうか。審査委員の高里さんから祝福され、うれしそうな笑顔を見せておられたのが印象的でした。本当におめでとうございます。
パリッとしたスーツ姿の選手たちが一堂に会し、オリジナルカクテルの味わいと技を競う大会。泡盛の風味を生かしつつ様々な材料を組み合わせたカクテルは、まさに十人十色の仕上がりでした。そこに込められた選手たちの思いも相まって、ロビーにずらりと並んだカクテルは本当に美しく、飲むのがもったいないと感じるようなものばかり。
競技の観戦だけでももちろん楽しめますが、やはり見るだけでなく味わうのがカクテルの醍醐味。来年の開催にお出かけの際は、ぜひ全日程にご参加を!
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