【那覇大綱挽】綱の全長186m、重量40t、参加者27万人、ギネスブック認定世界一。

ギネスブックで世界一に登録された、那覇大綱挽まつりに行ってきました。

実は、沖縄には「与那原(よなばる)の大綱曳」や「那覇の大綱挽」、「糸満の綱引」など、沖縄の観光イベントにもなっている綱引き行事があります。

中でも那覇大綱挽のスケールには圧巻です。今年は友人が重要な役で参加するということで、より深く楽しめるのではないかと期待を胸に参加しました。期待通りでした。感動するイベントの全貌をお伝えします。

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沖縄の綱引き文化

綱引きは約600年前、琉球王国の古都首里を中心に、田畑の虫払いや疫病流行の時の悪鬼払いとして始められ、現在は五穀豊穣の祈願、士気の高揚、悪疫払いとして旧歴の6月に行れています。

「与那原(よなばる)の大綱曳」や「那覇の大綱挽」、「糸満の綱引」がありますが、「綱引き」?「綱挽き」?ひきの漢字がそれぞれ違います。普通は「引」という漢字を使用しますが、那覇は「挽」与那原町は「曳」となっています。

残念ながら漢字の由来を詳しく書いてある文章は存在しないそうです。単なる誤字が由来という説も。(笑)もしも本当に誤字だったら沖縄らしいテーゲーな感じがします。

那覇大綱挽とは

15世紀から続く那覇四町綱(ナーファ ユマチ ウーンナ)が起源とされる沖縄最大の伝統行事です。

琉球王朝時代の那覇四町(西村・東村・若狭・泉崎)と共に周辺の村々を加勢として加え、那覇人(なーふぁんちゅ)の発展を願い執り行われてきました。

沖縄県各地で行われる農村行事の大綱挽が、稲作のための五穀豊穣や雨乞いの御願(ウガン)としていたのに対し、那覇大綱挽は交易都市として国家平穏や海上安全祈願の御願(ウガン)としていたと言われています。

大和や中国の文化を取り入れ、ほら貝を吹き、太鼓や爆竹を鳴らす様は沖縄独特の雰囲気があります。

ギネスブック認定

1995年9月6日「米藁で製作された世界一の綱」としてギネス認定されました。

1997年ギネス更新全長186m、重量40t220kg、綱の直径1m58cm、手綱236本、挽き手1万5000人、参加者27万5000人

※今も綱は成長し続けているという噂。ぜひ次のギネス更新に立ち会いたいものです。

中央分離帯が撤去される

ギネス認定されるほどの大きな綱、どこに置かれるの?と思った方もいるかもしれません。

この綱挽きの時だけは、国道58号線の中央分離帯が撤去され、綱がどかんと置かれます。沖縄の主要道路、国道58号線が封鎖されるなんて本当に驚きです。綱の真下までいくと、見上げるほど大きく、当日は、人が綱の上に乗ります。とにかくこのスケールは一度体感してほしいです。

願掛けのために挽く

大綱を挽くことにより、商売繁盛、無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣、大漁祈願、世界平和など、ありがたいご利益があります。

参加者27万5000人中、1万5000人しか綱を挽くことが出来ません。大きな綱から綱がでて、さらにその綱が枝のようにわかれています。となれば、綱を挽けそうと思うかもしれませんが、とんでもない人の数なので綱までたどり着けない場合もあります。

ご利益にあやか利たい方は、早めに会場入りした方がいいです。

那覇大綱挽全体

日程

体育の日の前日に綱を挽きます。(イベント自体は10月の3連休3日間開催します。戦前までは毎年6月に執り行われていた大綱挽ですが、1935年(昭和10年)戦況の悪化と共に途絶えてしまいました。

戦後沖縄の本土復帰の前年1971年、当時の那覇市長平良良松により那覇市生誕50周年祝賀記念とし「10・10空襲の日」また体育の日で祝日ということもあり復活しました。

昔は体育の日でしたが、今は体育の日が10月の第2月曜日となったため、前日の日曜日に大綱挽が開催されるようになりました。

昔は那覇祭りと言われていたこの祭り。その名の通り那覇市内の各所でイベントが開催されています。奥武山公園ではアーティストのライブがあったり、屋台がずらりと並びます。那覇市内の小学校では旗頭が祭りの成功を祈願し、伝統的な御願(ウガン)を行っています。

2015年のスケジュール

もう終わったけど・・・今年のスケジュール。

国際通り
(11:30)旗頭行列出発
(14:00)旗頭行列終了
国道58号線久茂地交差点
(14:30)旗入れ開始
(14:40)旗頭整列
(14:45)那覇大綱挽式典
旗頭旗我栄
空手我栄
支度我栄
(15:30)綱寄せ
かぬちちじ
支度寄せ
綱方我栄
(16:15)鉦子打ち込み
大綱挽開始
(16:45)大綱挽終了
勝負審判
カチャーシー
(17:30)トレーラー進入
綱の撤去作業開始
(19:00)国道58号線交通規制全面解除

国際通りや国道58号線は交通規制がひかれるので公共交通機関のご利用をお勧めします。

レンタカーで行動している方は、午前中に駐車場をキープしないと付近は満車だらけです。ですが今年は意外と久茂地周辺のコインパーキングが空いていました。

何故なら、交通規制と渋滞で久茂地までたどり着けないからなんですけど…

見どころ

国際通り旗頭行列

旗頭とは各地域の細工師が村のシンボルや守り神をあしらい制作した高さ8~10m、重さ50~60kgの飾り旗を天高く持ち上げ、躍らせながら歩く男たちのことを言います。

安里から県庁方面に向かい、14旗の旗頭(総勢2000名余り)が綱挽の衣装(股引半套むむぬちはんたー)を着用し約50kgの飾り旗を天高く振りかざし練り歩きます。ほら貝や太鼓、爆竹を鳴らし「ハーイヤ」の掛け声とともに男たちが飾り旗を交代しながら担ぎあげます。

絶対落としたり倒したりしてはいけないので、旗頭の男たちの勇姿は圧巻です。市場本通りのスクランブル交差点は必ず止まって演舞しますので、見物するならここがお勧めです。

ほら貝那覇大綱挽きほら貝 那覇大綱挽き旗頭那覇大綱挽き旗頭3

大綱挽式典

式典と言っても綱のそばにいると人混みで何をやっているのか全く見えません。

唯一見えるのが、支度我栄(支度ガーエー)毎年選び抜かれた男性が王様の衣装を身に着け、両サイドから綱の上を担ぎ手に担がれ中央までやってきます。東は中山王、西は南山王。琉球の歴史上の王様の登場です。三山統一の歴史を戦いの演舞で表現しています。演舞前後は記念撮影も快く引き受けて下さいますので、声をかけてみて下さい。

那覇大綱挽き綱の上

頭貫繋(かぬちちじ)

東の男綱(をーんな)、西の女綱(みーんな)を繋ぐために頭貫(かぬち)という輪が作られています。

ここに頭貫棒(かぬちぼう)直径43cm、長さ3m65cm、重量365kgの紫檀の木で作られた棒を打ち込み、一本の綱、本綱(うふんな)にします。この作業も目の前に陣取らないと見えないですけど。(涙)

那覇大綱挽き綱アップ

大綱挽開始

「ハーイヤ!」の掛け声に合わせて綱を挽きます。スタートの合図と共に1万5000人が一斉に挽きあうため、大綱が生き物のようにうねります。藁が粉のように宙に舞い、稲刈りしたての田んぼのような匂いがします。

外国人の参加が多く、最近は「ハーイヤ!」「PULL!(引け!)」「Here we go!」「●★※♪◆…」と色んな言語が飛び交います。

ここはどこの国?民族のチャンプルー状態です(笑)

旗頭の応援も熱がこもります。太鼓や爆竹の音がバンバン鳴ります。もちろん私も参加しました。友人が泉崎の旗頭なので今年は西側に付くことになりました。

約40tもの大綱が人の力で挽きあってる力を感じることができて感動しました。去年は30分挽きあっても勝負が付かず引き分けでしたが、今年はじりじりと東に寄って行くのが分かりました。

あっという間の30分。たぶん今年は30分経過してないうちに勝負ありだったように感じます。「2015年勝者は東!」「東が3m50cmの差を付けて勝利!」とアナウンスが流れました。

東の旗頭が旗を大きく動かし、くるくる回したり上下させたり、勝利の喜びをあげていました。東が14勝13敗15引分けで1歩リードです。

最後に参加者全員でカチャーシーを踊り、幸せの風をかき回しみんなと分かち合います。負けて悔しかったけど、見ず知らずの人や外国人と手を取り合って健闘を称えあいこれぞ沖縄!という感じがしました。

那覇大綱挽き綱持ち那覇大綱挽きカチャーシー

綱挽終了

綱挽終了と同時に綱の奪い合いが始まります。

大綱挽の綱には、ご利益があると信じられているため持ち帰る人が多いです。那覇では大綱挽が終わったその日から、お正月までしめ縄飾りとして使う人も多く、国際通りでは大綱挽のしめ縄飾りを販売しているお店がありました。実行委員の人が綱を切ってくれるのをもらえばいいのですが、どこからともなく折り畳み式ののこぎりが出てきたり、ナイフ持参の人がいたり…銃刀法違反じゃないか?と思ってしまうのですが、27万5000人の来場者をどうやって取り締まるのか?この日ばかりは警察も誘導に専念していて暗黙の了解でしょうね。

綱の上に登って記念撮影もできるし、綱を切っている人もいるし、一斉に綱の中心部が人だかりになります。小さなおばぁが手提げ袋から大きいのこぎり出したのを見た時はビビりました(笑)

外国人も喜んで綱を持って帰っていましたが、意味分かって持って行っているのかは不明です。まさかクリスマスのリースにしたりして?私も主人が取ってきてくれましたので、職場の人や友人に幸せのおすそ分けをしたいと思います。持ち帰るための持ち物は、大きめの袋、綱がほどけないように縛るビニールテープがあると便利です。

那覇大綱挽き綱切り那覇大綱挽き綱

翌日の新聞1面を飾る

翌日の新聞の1面を飾るのは、はもちろん大綱挽の記事です。沖縄タイムスも琉球新報も同じような写真が大々的に掲載されます。

ここでポイントなのが、新聞記者は東側のビルの上にいるということ。つまり、西陣営にいれば新聞の1面に載る可能性があるということです。(笑)

完全にウォーリーを探せ状態ですが、周りの人の服装や自分がどの位置で綱挽をしたかさえ覚えておけば見つけることができるかも知れません。今年、西が負けてしまったから、来年は西を応援して欲しい…なんて、泉崎の回し者みたいになっていますが、新聞記事の一面に載りたい方はぜひ西側で目立つ服装でお越しください。

那覇大綱挽き新聞那覇大綱挽き新聞2

展示

仕事の都合や旅程と時期が合わず大綱挽を見ることができない方に朗報です。

2014年度より常設展示が始まりました。国際通りから桜坂劇場へ向かう途中にある希望が丘公園で展示用に作られた大綱を見ることができます。展示用なので本物に比べれば少し小さく全長14m重量7tですが、中心には頭貫棒があり本物さながらの迫力がありますよ。国際通りにお越しの際は那覇の大綱を間近で眺めてみて下さい。

まとめ

那覇大綱挽まつりは、沖縄県最大の祭りです。

ギネスブックに認定されたこともあり、世界各国から注目されている祭りです。自由参加型なのでこの日のために来沖するという強者もいらっしゃいます。

リオのカーニバルやスペインのトマト祭り、牛追い祭りなど世界のガイドブックに載っている祭りぐらい海外では有名になりつつあります。沖縄の主要都市、那覇市の国道58号線を封鎖して行われるなんてやはりスケールが大きすぎます。

15世紀から続く伝統行事。沖縄の歴史や文化を感じることができます。年々大きくなっていく大綱。次のギネス更新に立ち会うことができる可能性もあります。子供からお年寄りまでみんなで心をひとつにして挽きあう事で人と人との絆を感じ、沖縄のゆいまーる精神を分かち合うことができます。

今年は終わってしまいましたが、会場の雰囲気を少しでも感じていただけたでしょうか?ハーリーやエイサーと違い自由参加でどなたでも飛び入り参加できますので、県外の方は、ぜひ来年の那覇大綱挽きの時期に合わせて沖縄へ来てみてください。他にも、沖縄では、大きなイベントが一年を通してたくさん開催されていますので、イベントに合わせての沖縄旅行・沖縄観光をお勧めします。