先日、バスツアーで万座毛(まんざもう)に立ち寄りました。万座毛の写真を見たら、「ああ~、ココね!」と思う方が多いのではないでしょうか?ゾウの鼻のような形をした断崖の写真は沖縄の旅行雑誌などでもよく見かけますよね。
万座毛のある辺り一帯は天然の海岸線で海岸国定公園に指定されていて、「万座毛石灰岩植物群落」として沖縄県の天然記念物に指定されている貴重なスポットということなので、花好きな私はその点にもワクワクしていました。
今回は、美しい海が作り上げた絶景スポット万座毛の景色と、そこに生きる植物たちの紹介をしたいと思います。
万座毛の名前の由来
駐車場横のお土産屋さん沿いに歩いて行くと右手に石碑があり、そこを通り過ぎると目の前に草原が広がります。
この草原には天然の芝がびっしりと生えていて、琉球王朝時代の尚敬王(しょうけいおう)が、万人が座れる毛(=野原)と賞賛したことが由来で「万座毛」と呼ばれるようになったとされています。
万座毛の見どころゾウの鼻
草原に1本の遊歩道が延びていて、断崖沿いに一周できるようになっています。広々とした草原を眺めながら遊歩道を進んで行くと、波が岸壁に打ち付ける音が聞こえてきました。すると左手に人だかりが。
あった、ゾウの鼻!突き出た断崖にぽっかりと穴が開いています。
万座毛は隆起サンゴ礁からなる断崖で、高さは約20m。この日は強風で波が荒くて、打ち付ける波のしぶきがここまで飛んできそうでした。
万座毛周辺の海はとてもきれいなのでダイビングスポットとしても人気があります。あいにくこの日は曇っていたのですが、晴れていればこの断崖の上からでも魚影が見えるほどの透明度です。
天然の海岸線に生きる植物
遊歩道を散策していると、沢山の植物に出会いました。
モンパノキ(紋羽の木):葉っぱに白い細毛が生えていてフワフワしています。新芽の部分は食べられるそうです。
アダン(阿檀):パイナップルのようなオレンジ色の実がなります。繊維が多くて食用にはできないですが、丈夫な葉で帽子やカゴなどを編んだりします。
きれいなお花も咲いています。断崖からの強風で折れちゃいそうですね。
イソノギク(磯野菊)発見!
そしてこの花は万座毛に自生している「イソノギク(磯野菊)」という多年草で、奄美黄島から沖縄本島にかけて分布しているのですが、近い将来絶滅する危険性が高い植物です。こんな小さな花たちが、この強風吹き付ける過酷な場所で必死に生きているのですね。
万座毛ではこのような植物がたくさん見られるので、遊歩道を歩きながら探してみるのも楽しいですよ。花は小さいものが多いので、目を凝らさないと見つけるのが難しいかも。誤って踏んでしまわないように気を付けてくださいね。
※ イソノギク(磯野菊)は、環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されています。
万座毛の地形
そして万座毛では穴の開いた岩がゴロゴロと沢山見られます。万座毛はサンゴ礁でできた大地なんだということを実感します。その奥の海面に見えるのは夫婦岩です。
また、こういった岩のトンネルなんかもあります。
どこでこの景色が見られるかな?万座毛へ行ったら探してみてくださいね。
万座毛おすすめの時間帯
万座毛は入場無料で入場時間も決まっていないのですが、おすすめの時間帯は午前中です。沖縄本島の西側に面しているので午後になると時間帯によっては逆光になってしまってゾウの鼻が見えにくくなってしまいます。
それに、絶好の撮影スポットには人だかりができて順番待ちになること必須です。
午後は駐車場も混むので、午前中の人が少ない時間帯を狙って行くことをおすすめします。
夕日もきれい
午前中に万座毛の景色を楽しんで、美ら海水族館などを観光、そして日暮れに時にまた戻ってきてください。なぜかって?ここから見える東シナ海に沈む夕日が格別きれいだからです。
ただ、柵がない場所が所々ありますので足元にはくれぐれもご注意を。
まとめ
遊歩道をゆっくりと散策しながら一周して所要時間は約30分。雄大な景色はもちろん、普段街中では見られない花々も見られて2倍楽しむことができました。
駐車場にはトイレもあるので、沖縄北部へ向かう途中の休憩がてら立ち寄ってみてください。
さらに詳しい万座毛の情報はこちら
▶ 沖縄屈指の絶景ポイント・万座毛(まんざもう)(恩納村・おんなそん)