マンタのベストシーズンと言えば9月〜11月なのですが、その時期は大勢のダイバーさんでマンタポイントは大賑わいの状態です。

「数は少ないけど冬でもマンタが出ているよ」と言う沖縄からの情報を受けて、今回は石垣島の海にマンタを求めて、冬の石垣島の海に潜って来ました。

マンタは見れたものの、この時期ならではの、壮絶な出来事が待っていたのです。

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石垣島のシーズナリティ

先にも書きましたが、マンタのベストシーズンは9月〜11月なのですが、12月〜2月の間も個体数は少ないものの遭遇できる可能性は以外と高い時期なのです。水温は21℃〜23℃と沖縄では低い水温の時期ですが、本州のそれと比較すると天国の様な数字です。

通常なら5㎜ワンピースにフードベストがあれば充分の水温です。

石垣島へ上陸

気温10℃前後の名古屋かから飛行機でひとっ飛び。2時間30分程の空の旅で石垣島へ到着。

石垣島の空の玄関『新石垣島空港』は2013年に開港し「南ぬ島 石垣空港」と言う愛称で親しまれています。

空港に到着しただけで、沖縄に来たというテンションになりますが、空港を出ると、さらにテンションアップ。というのも、本土が寒いとダウンも羽織るような気温であるのに、石垣島のこの日の気温はなんと27℃。この気温差でますます「沖縄へ来た」って言う気持ちになりますね。

新石垣島空港

天気の急変

新石垣島空港から石垣島の中心部にある石垣港へ向かう途中、真っ黒の雲が空を覆い、突然スコールの様な雨が降ってきたのです。バスに乗っていたので濡れることは無かったのですが、これが今回の大誤算の始まりでした。

風向きの急変

バスを降りる頃にはすっかり雨は上がっていたのですが、空港で感じた雰囲気と明らかに何かが違うのです。そう、風向きが変わっていたのです。

空港に到着した頃は南寄りの暖かい風が吹いていたのですが、港に着いた頃には北風に変わっていたのです。そう言えば飛行機で到着前に「空港付近に前線に伴う雲がある為、揺れる可能性があります」と言う機長のアナウンスがあった事を思い出し、さっきのスコールの様な雨は前線の通過に伴って降ってきた雨だったのだろうと思ったのです。

前線の通過で北風に変わり『寒さ』と言う最初の問題にぶち当たりました。

さっきまで27℃位あった気温が、一気に20℃位まで下がってしまったのです。その上、北風が結構強く吹いているので体感気温はそれ以下に感じてしまいました。名古屋で着ていた上着を取り出して事なきは得ましたが、沖縄でもこの時期には、風除けになるウィンドブレーカーは必需品だと痛感したのです。

海上の急変

今回は諸々の都合で、石垣島に2日間と言うタイトなスケジュールなのです。

その間に何とかマンタを撮影しようと準備万端船に乗ったのですが、とにかく寒い。その上、北風が治まらず島の北側にあるマンタ遭遇率の高いポイントに行けないと言うまたまた大誤算。北風と波をかわして、島の南側のポイントへ。

沖縄ならではの船長とガイドさんの息の合ったアンカーリングを見せてもらい、いざ石垣島のファーストダイブ。気温とは裏腹に水温は25℃程あって、水中の方が暖かく感じました。

透明度は、島影のポイントと言っても20m以上。石垣島らしい青い海で小魚の群れや地形を楽しんだものの目的とするマンタの気配は全く無しでした。

ソフトコーラルs

水温の急変

前日に引き続きマンタを求めて出航したのですが、まだまだ北風と波に翻弄される事になりました。その上、またまた大誤算が降ってきたのです。それは水温の低下でした。ポイントの違いはあるのですが、前日25℃位あった水温が、翌日は何と21℃まで下がっていたのです。

ポイントに到着してエントリー前に少し水が冷たいと感じていたのですが、気のせいだろうと思って(そう願って)入水。スーツにしみ込んでくる水温が明らかに冷たい。なぜかこんな時に限って背中の隙間を冷たい水が流れるのです。クマノミやイシガキカエルウオなど小さな生物をマクロ撮影しているのですが、身体の震えで画面の揺れが止まらないのです。その上、寒さのせいでエアーをかなり消費してしまいました。やはり「一段階上の保温スーツを着用する」と言うセオリーは守るべきであると身を以て感じたのでした。

クマノミs イシガキカエルウオs

ラストチャンス

冷たい水とここまで目的のマンタに出会う事が出来ないショックで凹んでいたところに、朗報が飛び込んできたのです。

船長が、今日出航している仲間の船から「水面マンタが出ている」って言う情報を入手してくれました。しかし、そのポイントまでは現在地から40分程かかる場所。到着するまでマンタが待っていてくれる保証は無いのですが、「行ってみましょう」と言う事で吹き続ける北風の波を蹴飛ばしながら大急ぎでそのポイントへ急行しました。

石垣島の南西沖約20kmに浮かぶ黒島の西側のポイントに到着すると、連絡をくれた先着のダイビングボートが見えてきました。よく見るとその船の後方の水面に黒っぽいヒレの様な物が時折チラッと見えるではありませんか。「マンタ、マンタ」やっと姿を見る事ができたマンタに船上は寒さも忘れて盛り上がったのは言うまでもありませんでした。

マンタ3

はやる気持ちを抑えて状況判断

すぐに飛び込んでスノーケリングで水面付近の姿を撮影する選択肢もあったのですが、冷静に判断して、ここはダイビング器材を着け潜水して水中で待つ方法を選択したのです。

はやる気持ちを抑えて器材を装着してエントリー。間違いなく全員いつもより準備にかかる時間が短かったと思うのは気のせいでしょうか。水中に入ったら、どの水深からマンタが姿を現わすのか分からないので、浅場にも急行できる様に10m前後の水深をキープして、青く澄んだ水の奥の方に目を凝らしてひたすら待つのみです。

感謝の気持ちを忘れずに

やや濁りはあるものの、さすが石垣島の海と感じる澄んだブルーの海に暫く目を凝らし、ふと横を見ると今回お世話になっているWAKE UP CALL石垣島ダイビングのガイドの光映さんと楓ちゃんも必死に目を凝らしてマンタを探してくれている姿が目に入ってきました。我々カメラマンが撮影できるのは、こうやってお願いした被写体を必死に探してくれるガイドさんのおかげなのだと感じ、改めて感謝の気持ちが湧いてきたのです。

石垣島ダイビングのガイド

マンタとご対面

そんな悠長な事を考えていると、横で目を凝らしていた2人のガイドさんの動きが慌ただしくなり、その視線の先を見ると薄っすらと黒い物体がこちらに近づいて来たのです。

そうです、待ちに待ったマンタの姿です。

ゆっくりと羽ばたく様に優雅に泳ぐ姿は、何度見ても目を奪われてしまいます。その姿をカメラに収めようとファインダーに集中すると、それを知ってかしらずか方向を変えて、また青く海に消えてしまったのです。

マンタs

諦めません

その後も諦めのつかない我々は、その水深で暫く待つ事にしました。その間、グルクンの群れやアオウミガメが姿を現したのですが、今回はスルーしてしまったのは言うまでもありません。

そろそろ時間切れが近づいて来たかなと時計に目をやり、顔を上げた時です。先程姿を見せてくれた方向から再びマンタが姿を見せてくれました。

水深12〜3mの辺りを優雅に飛ぶ様な姿は前回と同じでしたが、今回は先程よりやや近くを通り過ぎてくれました。時間的には1分も無い程度でしたが、その姿はしっかりと記憶に残る美しいものでした。

まとめ

何と言ってもシーズン問わずマンタに逢える石垣の海は素晴らしいの一言です。

数多く見たいのならば9月〜11月のいわゆるハイシーズンがお勧めですが、今回お邪魔した12月〜2月も意外と遭遇率が高い様です。ただ、個体数が少ないのでじっくりと待ったり、キョロキョロと上下左右を探さないといけません。この時期は、逢えても逢えなくてもその過程を楽しむ心構えが必要かも知れないですね。

ただ、石垣島の海はマンタだけではなく、楽しみがとても多い海だって事をお忘れ無く。それを楽しむ為にも、ウエットスーツのチョイスは慎重にして、寒くて辛かったって事のない様に、事前にダイビングサービスさんに問い合わせて情報収集する事をお勧めします。

今回の大誤算は、5㎜のウエアだったと…泣。

寒かった…。