沖縄へせっかく旅行に来たのだから、本場の泡盛を味わってみたい。

しかし、どこでどうやって自分好みの泡盛を見つけたら良いのか?わからない。とお悩みの方には、泡盛酒造の工場見学へ行くことをおすすめします。工場見学で楽しく泡盛について学ぶと、なぜだか泡盛の美味しさが増すんです。

そして工場見学の後は試飲コーナーへ。泡盛のプロに色々聞きながら試飲すれば、きっとお気に入りの泡盛が見つかるかと思います。

今回はラッキーなことに蔵長さんに色々と話を聞いて来ました。

空港から約10分と便利な立地にある「くぅーすの杜(もり)・忠孝蔵」では、充実の工場見学の施設で泡盛づくりに携わる方々の熱い思いを感じたり、職人の技などを間近で見ることができます。今回は、リピーターも徐々に増えつつあるという、忠孝酒造の魅力に迫ってみたいと思います。

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「家酒家宝」という伝統

家酒家宝

泡盛は、3年以上寝かせたものを「古酒」と呼び、寝かせれば寝かせるほど味がまろやかになり美味しくなっていくという、他のお酒には見られない特性があります。

それも、ただ寝かせればいいのではなく、「仕次ぎ」という作業で古酒に刺激を与え、より美味しく育てていくことができるのです。

そして、おばあちゃんの手作り料理が娘に、そして孫に引き継がれていくように、それぞれの家には、その家で代々守られてきた泡盛があるといいます。先祖代々、親から子へ、子から孫へと伝えられていく泡盛は言わば家族の宝でもあるのです。

忠孝酒造ではその伝統を「家酒家宝(かしゅかほう)」と呼び、いつまでも美味しく味わっていける泡盛を作るとともに、泡盛を入れる容器にもこだわりを持っています。

忠孝酒造のこだわり

泡盛甕

家の宝である泡盛を末永く守っていくために、忠孝酒造は泡盛を保存する容器の甕(かめ)に着目しました。

泡盛は、寝かせれば寝かせるほど美味しくなるお酒、と言いましたが、通常の「瓶」に入れたものよりも「甕」に入れた泡盛の方が、さらに良いお酒に育つそうです。

甕は瓶に比べて空気に触れる面が多く、甕から染み出してくる微量の土に含まれている成分によって泡盛の熟成が早く、より美味しい泡盛に育てることができるのだそうです。

その大事な役割を担っている甕ですが、創業当時から使用していたものは上と下のパーツをくっつけた仕様になっていて、年月が経つと継ぎ目から泡盛が漏れ出してしまうという欠点があり、当時はクレームが出ることもあったそうです。

美味しい古酒を育てるための器がこれでは、もともこもありません。甕の内側に、釉薬(ゆうやく)という陶磁器の表面をガラスのような質にして、液体がしみ込むのを防ぐ薬を塗ることも検討しましたが、そうすると甕の成分が泡盛へ染み出していけなくなり、熟成がしにくくなってしまいます。

現会長の二代目は、なんとか釉薬を使わすに質の良い甕を作りたいと、得意であったろくろを自ら回し、甕作りの研究に着手。琉球王国時代に広く使用されていた、釉薬を使用しないすぐれた焼き物であった南蛮荒焼の甕を作ることを目標にしました。

土には、きめが細かく粘り気の強い本島南部で採れる灰色の「島尻ジャーガル」に、山原(やんばる)の赤土「琉球赤土」を混ぜ、試行錯誤の末出来上がったのが「琉球城焼(りゅうきゅうぐすくやき)」です。

焼いたあとの甕は、焼く前の甕の2分の1ほどの大きさになってしまうのですが、それほど甕の密度はとても高いということになります。このようにして、古酒の保存と熟成に適した最高の甕が出来上がったのです。

甕

自社で甕まで製造しているのは忠孝酒造のみ。琉球城焼の甕で育った泡盛はさぞかし美味しいでしょう。その甕は現在でも、ひとつひとつ職人によって手作りで作られています。

充実の工場見学

ビデオ鑑賞

見学

忠孝酒造の店舗内でまずは、忠孝酒造の歴史や琉球城焼の紹介VTRを鑑賞します。

手作り体験もできるミニ工場

泡盛手作り体験

店舗内のガラス張りになった工場の前で、黒麹菌やタイ米のサンプルを見ながら、泡盛の製造工程などを学びます。このミニ工場は沖縄で一番小さな工場で、1日に製造できる泡盛はわずか60本。本社の大きな工場では普段できない、試作品の研究をすることもあるそうです。

また、このミニ工場は泡盛の手作りの工程を体験できるコーナーでもあり、観光客にもとても人気があります。自分で作った泡盛は後日自宅へ届けられるので、旅行の思い出にはもちろん、結婚式の引き出物としてホテルや会場へ届けてもらうこともできます。

 職人の工房 忠孝窯

忠孝甕職人

店舗の外へ出て、甕の手作り工房へと移動します。中には大小さまざまな沢山の甕が並んでいて、職人さんがろくろを回しています。ひとつひとつが手作りで、ほぼ同じ形に形成できるなんて、さすが職人さんです。

感心しながら作業を見ていると、案内のスタッフさんがおもむろにトンカチを手に取り、焼き上がった小ぶりの甕を叩きだしました。割れる!と思った瞬間、金属音のような高いキーン!キーン!という音が響き渡りました。焼き物からあのような音がするなんて驚きました。この音こそが、密度の濃さの証拠なのだそうです。

 泡盛の香りが立ち込める木造の貯蔵庫

忠孝

続いて、忠孝酒造へ到着したときに圧倒的な存在感を放っていた、木造の大きな建物へと向かいます。この蔵は首里城に次ぐ大きさの木造建造物で、蔵の中には天井の高さまである、とっても大きなステンレスの貯蔵タンクが並んでいます。蔵に入った途端泡盛の良い匂いがするので、泡盛好きにはたまらない空間です。

入口付近のスペースには、天井まで続く木枠が組まれており、そこには手作りの甕がズラッと整列しています。木造の大きな空間のあるこの蔵は、古酒を保存するための絶好の場所。忠孝酒造の甕は密度が高く結露しやすい為、風通しの良い場所へ置くのが良いそうです。

自宅での甕の置き場所は、普段見えない場所に置いていると年に数回の仕次ぎを忘れてしまうので、目の届きやすい居間などに置くのがベストですというアドバイスもいただきました。

なんだかワクワク!地下貯蔵庫

地下貯蔵庫

蔵を出て店舗へ戻り、今度は地下室へ。階段を降りていくと、手ごろな大きさの瓶や甕が沢山並んでいます。忠孝酒造には、購入した泡盛を5年から20年の間大事に預かってくれる「古酒預かりシステム」がありあます。地下の泡盛たちはここで、オーナーの手元へ戻る日をじっと待っているのです。

例えば、子供が産まれた時にお子さんの手形や名前などを刻んだ甕に泡盛を入れ、こちらで預かってもらい、子供が成人したときに届けてもらって家族で成人を祝うといったような楽しみ方もできます。

試飲・ショップ

忠孝ショップ・試飲

店舗内ショップの片隅には試飲コーナーがあります。普段どういったお酒を飲んでいるかなどスタッフさんと話しながら、試飲して好みの泡盛を見つけていきます。

私はまず、5年、10年、15年の古酒を飲み比べてみました。5年と15年では、その味わいに雲泥の差があることが分かりました。古酒は寝かせれば寝かせるほど角がなくなってまろやかになり、飲みやすくなるというのは本当だったんです。

そして、それぞれに水を少し加えてみました。すると、先ほどとは違い、香りとアルコールが中和されてとてもマイルドに飲みやすく変化しました。泡盛本来の美味しさが、このように変化していく様子を楽しみながら味わうことを教えてもらいました。

他にも、マンゴーから採取された酵母で作った3年古酒がブレンドしてある「忠孝GOLDPREMIUM」も試飲したのですが、香りがほのかに甘く、その甘さが口の中にほんわりと残る繊細さに驚きました。

まとめ

100年、200年先へ、親から子へ、子から孫へと伝えられる泡盛を最高の状態で貯蔵したいという職人の手により生み出された甕。古酒の寝床である木造の立派な蔵や、オーナーの記念日を今か今かと待っている地下の古酒たち。忠孝酒造の工場見学で、泡盛に対するこだわりや浪漫を感じることができました。

忠孝酒造では、日本初の泡盛のブレンドショップを出店したり(2017年6月30日迄)、年2回のイベント忠孝蔵春祭り、秋祭りを開催したりと、泡盛の美味しさを多くの人へ伝えるために色々な取り組みを行っています。

忠孝酒造の「くぅーすの杜・忠孝蔵」は空港からも近いので、ちょっと時間が空いた、なんて時にもおすすめです。

沖縄旅行の思い出に・忠孝酒造で泡盛の手作り体験をしよう!