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宮古島で超人気のダイビングポイント【魔王の宮殿】徹底解明・下地島

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宮古島ダイビングの中でも、非常に人気が高く有名な三大ポイントがあります。

今回はその中で最もリクエストが多い、魔王の宮殿をご紹介します。

魔王の宮殿は宮古島のダイビングポイントの中でも難易度が高いポイントです。

「雑誌で見たから」、「知り合いのダイバーに勧められたから」というレベルで潜ると、魔王の宮殿の最大の魅力を楽しめないままダイビングが終了してしまうことも。

今回は特別に、5年間現役インストラクターとして魔王の宮殿を潜りこんだからこそお伝えできる、絶対におさえておきたい大切な注意点やショップ選びのポイントも含めてご紹介します。

魔王の宮殿に行きやすい時期、必要な持ち物、スキル、心構えをきちんと把握していくことで、魔王の宮殿の魅力は数十倍にも広がります。

ぜひ日本でも有数な地形ポイントを余すことなく楽しみたい方は、最後まで読んでください。

魔王の宮殿の基本情報

魔王の宮殿は下地島の北西に位置するポイントです。

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星印で示した場所が魔王の宮殿。(地理院地図 / GSI Maps|国土地理院を元に合同会社We-Love沖縄作成)

このポイントは風やうねり、波の影響を非常に受けやすいです。

メインで行きやすい季節は10月から4月頃で、北東から東寄りの風が吹き、なおかつ波の高さ予報が穏やかな日に行くのをおすすめします。

宮古島から出港するボートで約40分、伊良部島から出港するボートに乗り約30分で到着します。

詳しい位置を確認したい方はこちら:地理院地図 / GSI Maps|国土地理院

魔王の宮殿ってどんなところ?

最初にお伝えした通り、魔王の宮殿は中級者以上向けのポイントです。

最大深度は25m前後、途中狭くて真っ暗な洞窟の中を通り抜けるシーンも出てきます。

ライセンスランクはアドバンスド・オープン・ウォーターダイバー以上、経験本数は50本以上が目安です。
ただし、ライセンスランクと経験本数だけを目安にすると、魔王の宮殿の楽しさはまだ最大には味わえません。

ただ潜るだけでは見落としてしまう本当の魔王の宮殿の迫力を心から楽しみたい方は、これからお伝えする3つのポイントをおさえてください。

その3つのポイントとは、中性浮力水中ライトショップ選びです。

中性浮力が大切な理由

魔王の宮殿内部の真っ暗な洞窟内にはシルトと呼ばれる砂よりも細かい粒子の砕屑物(さいせつぶつ)が沈殿しています。

中性浮力をとらずに泳ぐとこのシルトを大きく巻き上げ視界不良を招き、インストラクターやバディを見失ったり、パニックになったりしやすいです。

また狭い洞窟内で他のチームとすれ違う時などにも、別チームについていってしまうなど思わぬアクシデントを生んでしまいます。

洞窟内では中性浮力をきちんと取り、シルトを巻き上げないように細心の注意を払いながら泳ぐことを常に心がけましょう。

中性浮力に自身のない方などは、魔王の宮殿に行く前にインストラクターに泳ぎやバランスを確認してもらうことをおすすめします。

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中性浮力に不安のある方は、事前にインストラクターに泳ぎを確認してもらうことで、安心して楽しく潜ることができます。

水中ライトが大切な理由

魔王の宮殿の内部は真っ暗で日の入らない場所を通ります。

そのため水中ライトは必須です。

インストラクターのライトだけを頼りに泳ぐと、上部にせり出す岩などの危険性、万が一インストラクターを見失ってしまった場合の危険性が大きく跳ね上がります。

さらに洞窟内には外洋ではなかなか出会うことのできない、暗闇を好む生物がたくさんいます。

ライトは洞窟内だけでなく、はぐれてしまった際の緊急用シグナルとしても使用することができ、とても便利です。

ご自身の安全性向上のためにも、そしてよりダイビングを楽しむためにも、ご自身で水中ライトを用意していくのをおすすめします。

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今回の使用器材。ライトはメインの他に予備を2本、コンピューターはメイン、予備ともに洞窟内でも視認性の良いLED画面のものにしました。

ショップ選びが大切な理由

ショップを選ぶ際には、エアー消費量、中性浮力、バランスなどスキル全体を確認するチェックダイブをしてくれるショップを選びましょう。

チェックダイブをすることには実は多くのメリットがあります。

さきほど経験本数の目安をお伝えしましたが、チェックダイブで十分なスキルが確認できれば、経験本数が満たない場合でもダイビングできる場合があります。

また久し振りにダイビングをする方や、半年に1回、1年に1回など間隔をあけて潜る方などは、どうしても重要なスキルを忘れがちです。

自分で気付けなかった細かい修正点や改善点も指摘してもらえるので、経験年数や経験本数が豊富な方でもご自身のスキルアップと知識のブラッシュアップにつながります。

実際に日本では聞きなれないかもしれませんが、モルディブやセノーテなど、有名な海外のダイビングスポットではチェックダイブをおこなうショップがとても多いです。

海外でもダイビングを楽しみたい方は、日本でチェックダイブをする習慣を身に付けておくことで、よりストレスなくダイビングを楽しむことができます。

ショップ選びの際には、ぜひチェックダイブをおこなってもらえるかどうかをポイントのひとつにしてみてください。

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チェックダイブは自分自身のスキルアップのためにも非常に重要です。

魔王の宮殿を潜る

この日は水深約15mのところからスタートしました。

魔王の宮殿は船の下がゆるやかに流れることが多いので、エントリー前にインストラクターに水中での集合場所をきちんと確認してから潜るのをおすすめします。

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エントリー直後の景色。透明度は20mを超えています。

大きな岩礁沿いを泳いで行くと、ぽっかりと縦1m、横5mほどの竪穴が開いている場所があります。

ここが魔王の宮殿の入り口です。

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魔王の宮殿の入り口。縦1m、横5mほどの竪穴になっています。

竪穴になっているので、潜航スピードに注意しながらゆっくりと中に入っていきます。

内部では最初にエントランスホールと呼ばれる広い空間があらわれます。

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魔王の宮殿エントランスホール。青い光が降り注いでいます。

エントランスホール内は魔王の宮殿の中では一番明るく、記念写真も撮りやすいです。

ここからは真っ暗な洞窟を進むので、ライトをつけて進んでいきます。

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ここから先はライト必須です。

真っ暗な洞窟を抜けていくと、ぼんやりとほの暗く照らされた場所に出ます。

ここが有名なメインホールです。

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魔王の宮殿メインホール。光のない洞窟を抜けて現れる素晴らしい青の空間。

メインホールの下には特に多くのシルトが沈殿しています。

中性浮力がとれないとシルトを大量に巻き上げ、この景色が一変してしまいます。

下の写真は、実際にシルトが巻き上がったメインホールを同じアングル、同じカメラで撮影したものです。

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シルトが舞い上がってしまったメインホール。美しさの違いは一目瞭然です

シルトは一度巻き上がると、長い時では30分以上沈殿しません。

他のダイバーの迷惑にならないためにも、そして何より自分自身がより美しい景観を心から味わえるようにも、中性浮力を必ず取るようにしましょう。

メインホールの奥には、縦1m、横2mほどの狭い洞窟がさらに続いています。

この洞窟の先にあるのが魔王の寝室です。

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魔王の宮殿最奥にある魔王の寝室。

ここの下にも大量のシルトが沈殿しているので、巻き上げないように泳ぐのが大切です。

このポイントは魔王の寝室で行き止まりのため、ここからは来た道を戻っていきます。

意外と知られていないですが、魔王の宮殿の魅力のひとつに行きと帰りで全く違う景色が楽しめることが挙げられます。

同じ場所でも写真を撮る角度、光の入り方で雰囲気が全く違う写真を撮ることができるので、出口を抜けるその最後の瞬間まで、ぜひ楽しんでください。

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寝室から出た場合の魔王の宮殿メインホールの景色。行きと全く違う景色を楽しめます。

洞窟ならではの生き物たちとの出逢い

魔王の宮殿の中には、暗いところが大好きな甲殻類や魚など、洞窟ならではの生き物に出逢えます。

こちらはカノコイセエビ。

真っ暗な洞窟の壁穴などに潜んでいます。

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カノコイセエビ。長いヒゲを探すと見つけやすいです。

こちらは赤のストライブ模様が可愛いリュウグウモエビ。

光に敏感なのでライトを当てると素早く逃げていきます。

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リュウグウモエビ。逃げ足が速いです。

岩場の穴の中などでよく見かけるオトヒメエビ。

洞窟の中では真っ暗で気が緩んでいるのか、歩き回っている姿に出逢えます。

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オトヒメエビ。この日は洞窟の中を楽しそうにお散歩していました。

少し奥まったところでは全長50㎝を超えるモヨウフグが寝ていました。

フグ類は泳ぎがのんびりしているので、驚かさずに近寄れば比較的写真が撮りやすいです。

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洞窟の奥で寝ていたモヨウフグ。かなり大型でした。

【まとめ】

幽玄。

この言葉を表すにふさわしい真っ暗な洞窟やほの暗いホール空間、時を忘れたかのようにゆったりと泳ぎ回るアカマツカサの大群。

ダイバーが吐く息の音が反響する不思議な世界は、まさしくこの世のものではない人智を超えた何かに出逢えそうな予感がします。

ちなみにメインホールで記念撮影をする際には、ホールの真ん中より少し上の位置で中性浮力を保ちながら撮影してもらうのがおすすめです。

タイミングがあえばこんな写真が撮れるかもしれません。

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魔王の宮殿メインホールでの一枚。中性浮力がきちんと取れていれば他にはない1枚が撮れることも

入り口を見つけた瞬間から外に出るまで、飽きることなくスリルと冒険心をくすぐられるこのポイントは、また潜りたくなること間違いなしです。

宮古島トップ3に入る超人気ダイビングスポットを、ぜひ余すことなく堪能してくださいね。

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この記事を書いた人

寝ても覚めても海が好き。47都道府県に飽き足らず、海外まで理想の海を探し求めて、とうとうたどり着いたのが沖縄の離島、宮古島。移住者だからこそ気付く島のディープな情報をのんびりお届けします。趣味は車の運転、ボディーボード、ダイビング。年間300日は海水に浸かってます。

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